陶芸 屋久島日記

完全に、気が抜けてしまいました。一日、ただ本を読んだり、ネットを見たり、仕事場に下りても

何かをする気力がわかなくて。まあ、夕方、やっと化粧土を作りましたが。7月から、突っ走って

きたから、仕方ないのかもしれませんが。やらなきゃならないことは山積みなのですが。雨が

上がってくれたので、ワインクーラーを外に出して、だいぶ乾いてくれました。あすは素焼きを

しようと思っています。

       11.17

やっと絵付けが終わる。思い起こせば、7月から取り掛かった仕事、四ヶ月経ってしまった。途中

他の仕事が入っていたから、長くなったが、今年もなんとか乗り切ることができた。あと、大きな

仕事はオブジェとワインクーラーを焼き上げること。今日は雨が降り出したので、乾燥は進まず、

来週に持ち越し。午後は、工房を片付けたり、硬くなった土を練り直したり。気がつけば、工房の

棚はガラガラで、黒板には、細かい注文がいろいろ書き込まれている。どれも後回しにして

しまったもの。明日から一つ一つ、作ってゆかねばと思う。

       11.16

今日は、かなり重要な日。オブジェの窯出し。まずは、破損なし。良かった。ひとつクリアー。

しかし、腰を痛める。変な姿勢で、窯の中で動いたから。なんとかごまかしながら、全て出し終えて、

いよいよ、組み立ててみる。台座の部分と別に作ったのを、一体化して初めて見る、全体像を。

うーん、やはり、バランスが、ちょっと違うような気もするし。まあ、こんなもんかという気もするし。

色をつけて、本焼きすれば、また違って見えるかも。あとは化粧がけと。釉薬がけにかかっている。

その前に、一緒に焼く、ワインクーラーを削って、化粧をかける。今回はスプレー掛けで。あとは、

天気も良いので、ベランダに出して乾かす。この調子なら、週明けには素焼きができるかも。

時間がだんだん迫ってきて、緊張感がまた高まる。

       11.15

畑にまいた野菜の種から芽が出てきた。去年、全くダメだったほうれん草や春菊も、綺麗に出てきた。

まだ、何も肥料をやってないので、1回目の液肥まいてやる。昼間の畑は、暑いほどで、シャツ

一枚になって、動き回る。1時間ちょっとかけて、全体を撒き終える。苗を植えた玉ねぎは、やはり

全て枯れてしまっていたが、ブロッコリーやセロリはいまのところ元気なようだ。コオロギの

赤ちゃんが大量に歩き回っているのが気になるが、不耕起でもなんとかなりそう。ずっと、

仕事場にこもっていたので、太陽の光を浴びると、元気が出る気がする。もう少しで、畑に

精が出せるようになるのだが。

       11.14

朝、4時から素焼きの火入れ。ワインクーラーのろくろ作業。ところが、うまく挽くことができない。

形が取れない。練り直したら、今度はへたる。次は、土にムラがあって、まともに形にならない。

4回連続失敗。もう、作れないんじゃないかと、不安になるが、土の硬さを調整して、荒練りから

しっかりやって、菊練りも200回、手を抜かずに練って、なんとか一つ、形になる。あとは、失敗なく

予定の数を引くことができた。ちょっと、舐めていたのかもしれない。危うく、自信喪失に

なるところだった。ただ、心配事がひとつ。それは、ろくろに向かっている時、窯の方から、

何か音が聞こえた気がしたこと。破裂音のような。工房で仕事をしている息子に、「何か音が

しなかった?」と尋ねたら、何も聞こえなかったという返事。あれが、空耳だったのか。

窯出しするまで、落ち着かない。

       11.13

オブジェを素焼きするための窯づめをする。窯にいっぱいいっぱいなので、運び込むのに苦労する。

これで、無事焼きあがるのか、心配になる。そうこうしていると、メールで追加の仕事が、飛び

込んできた。ワインクーラーが10個。小さい窯では何回も焼かないといけないし、大きい方は

窯詰終わってしまったし、発送期日にはギリギリだし、考え込んでしまう。だからと言って、

できないとは言えないし、もう、下手な考え休むに似たりと、とりあえず、作ることにする。

ところが、ここのところ、馬鹿でかいオブジェと、めちゃ細かい絵付けの仕事だったので、ろくろが

うまく挽けません。何度も失敗を繰り返し、ようやくいくつか形ができましたが。この調子では、

明日は、窯焚きしながら、ろくろに向かわねば。当分絵付けはできそうになくなりました。

       11.12

ここのところ途絶えていた、集落の半日奉仕の作業が復活して、今日が召集日。台風の後始末で、

側溝の泥を上げたり、道に覆いかぶさった樹木の伐採と片付け。2時間ぐらいで終わるかなと

思っていたら、しっかり昼まで汗を流した。思った以上のきつい作業。ここのところ、椅子に座って、

筆を持つ毎日だったから、全身運動は心地よい疲労ではあるが、老体にはなかなかハード。今朝も、

4時から仕事した後で、作業が終わった午後も、いつもの絵付け作業を続ける。なんとか、今週中

にはと、先が見えてラストスパートに入って。残念なのは、使い込んだ鉈鎌をなくしてしまったこと。

作業をしていて、ショベルカーが突然現れたので、つい気を取られて手を離したのがいけなかった。

おそらく、ショベルカーに押されて、山の中に入ってしまったのだろう。愛用の道具を失うのは

かなり落ち込むもの。せっかく、なくしたと思った、鎌が見つかったばかりなのに。

       11.11

昨日の雨の恵みか。大根の芽がではじめた。ここのところ、全く雨が降らず、カラカラに乾いた

土に染み込んだ、まさに天からの恵み。他の野菜もこの調子で続いてくれると良いのだが。

この時期にしては、ここのところ夏日になって、畑にはコオロギが元気に動き回っている。

去年は、そのために、青梗菜を3回、蒔き直した。芽が出るとすぐに食べられてしまって。

今年も、異様に暖かいから、どうなることやら。仕事がもうしばらくで、区切りがつきそう。

そうなったら、もう少し、畑で時間を過ごせると思う。

       11.10

相変わらず、外国からのお客さんが多い。日本人のお客さんは、来ても割とすぐに帰ってゆく人が多い。

それに対して、海外からの方はじっくり見てくれる。午後のお客さんは、大きなマスクが気に入った

らしく、あれは売り物じゃないというと、がっかりしていた。昼前の、パリからのお客さんは、

2年前にも小さな仏像を買って帰ったと言って、今回もいろいろ見て、3体を選んで行った。

合わせて4体、パリに渡ると思うと、不思議な気持ちになる。たくさん作ったと思っていたが、

気がつくとほとんど残っていない。今の仕事に区切りがついたら、年末は仏像づくりをしようと

思っている。

       11.9

今朝は、わけぎの種球の植え付け。春に収穫して保存していたもの。昼前に家族でインフルエンザの

予防接種。あとは、いつもの絵付け作業。以上。うーん、ちょっと短いなあ。そうそう、工房の

前に花も植えつけたっけ。ビオラにガーデンシクラメン、それとノースボールを。それから、

畑でなくなった鎌を発見。ちょっと、嬉しかったよ。そうそう、水道がすっぽ抜けて修理も

したっけ。何もないようでも、それなりに小さな、出来事があるものですね。

       11.8

昨日と同じように、真っ暗な中、畑を這いずり回って草を抜き、野菜の種を蒔き、雨が降りそうも

ないので、水をまく。工房で、今年最後の、体験作品の荷造り、そして、いつもの絵付け作業。

昼間は暑くて、蚊が猛然と襲ってくる。つい、この前までツクツクボウシも鳴いていたから、

ここはまだまだ夏を引きずっている。オブジェはだいぶ乾いてきたが、なんぜバカでかいので、

しっかり乾燥させないで窯に入れたら、割れるに決まっている。ここは、焦らず、じっくり

待たねばなるまい。

      11.7

今朝は、3時に起きて、畑に直行。真っ暗だから、軽トラのライトとヘッドランプの明かりを頼りに

草取りをする。手で引っこ抜いて。7月から、放っていたので、大変なことになっているが。

2年前は、毎朝、こんなことやってたなあと、懐かしく思いながら。あの頃の畑は大島グサが

はびこっていたから、大変さは今と比べようもないが。ここ数日の間に、鎌を2本、どこかに

無くしてしまい、素手で抜くのはきついけれど、鎌で切ってもすぐにまた生えてしまうから、

むしろ良かったのかもしれない。空が白み始めて、朝の散歩に出る。空には鎌のように薄い

上弦の月がぽっかりと浮かんでいる。そのために、月の球形がくっきりと見えて、本当にボールが

空に浮かんでいるのがわかる。あんなものが、空にあるのが、ふしぎだと心底思う。理屈では

理解していても、目で見ると、本当に神秘的で。

       11.6

ここへ来て、だいぶ落ち着いて来た気がする。オブジェも、今は乾燥待ちで、夏の体験作品の

最後の焼成に入って、年末恒例の仕事も、目鼻がついて来た。今朝は、大根の種をまいて、あとは

ぼちぼち、菜っ葉類の種を蒔こうと思う。相変わらず、草だらけだが、少しずつ、雑草を払って、

それから、何と言っても、手付かずだった、ハウスの整備に取り掛かりたい。台風でひどいことに

なっているが、去年の何もなかった時を思えば、ある程度、イメージができているだけ、気が楽と

いうもの。今年も、あと、わずかしかないが、怪我に気をつけて、ぼちぼちやってゆきたい。

       11.5

畑に、野菜の苗を植える。小雨だったが、大した降りでははないので。ブロッコリーにセロリ、

それにパセリ。イモの収穫をした後に。耕すこともしないで、元肥もなし。これで、本当に

野菜ができるのか、いつも、不思議に思うのだが、今年で2年目、収穫できているから、それほど、

大間違いではないと思う。土が、酸性になっていると思ったら、後から牡蠣殻石灰を撒いてやる。

あとは、定期的に液肥を巻いてやる。オーガニックにこだわるなら、化成肥料の代わりに、鶏糞を

水に溶いて、しばらく放置したものを撒く。いわゆる永田農法と、不耕起栽培のミックスという

ことになる。はっきり言って、無精者の手抜き農法。明日は、種まき。

       11.4

新聞のチラシに、「おまちどおさま。野菜の苗入荷」というのが目について、早速出かけてみた。

大変な混雑で、駐車場が満員で、県道で順番を待つほど。やっと、空いたスペースにクルマを停めて、

苗売り場にゆくと、大勢の人たちが、物色中。それぞれ、苗を入れるための箱に、何鉢も入れて、

歩き回っている。皆、首を長くして、待っていたらしい。聞こえてくる話では、種は蒔いたが、

やはり、ブロッコリーやキャベツなどは苗を買うという。うちは、バタバタして、まだ大根や

カブの種も蒔けないでいる。おまけに、いろいろ苗まで買ってしまって、早く植えないとと焦りが

つのる。屋久島では、夏は暑すぎたり、雨が多かったりで、なかなか難しいが、今の時期の大根や

菜っ葉類は最も作りやすいので、誰もが自家用野菜作りに精を出す。そうこうしていると、あっと

いう間にネギの苗が売り切れて、菜っ葉ももうなくなってしまった。誰もが考えることは一緒の

ようで、人気のある野菜は早くなくなる。明日は、畑仕事をするぞと、車を走らる。

       11.3

今朝、やっとオブジェの型を外す。なんとか、崩れることなく形を維持している。危なさそうな

ところを粘土で補強して、様子を見る。これならなんとか、ものになりそうに思える。まさに、

三度目の正直か。そうなると気になるのが、形。最初のイメージより、だいぶ大人しくなっている。

やはり、大胆な造形では難しいと、萎縮してしまったのではないかと。今回作った、3個のオブジェ。

少し、冷静になって眺めると、どこか物足りない気がしてきた。しかし、土だから、今更、手を

加えることはできない。それに、石やブロンズと違い、陶は無事に焼きあがっても、ぶつければ

割れるし、繊細なところは欠けやすくなる。素材ゆえの限界が。ただ、焼成の段階で、ある程度、

色のイメージを自分でつけることができる。その点が、焼き物の強みでもある。さて、どのように

焼き上げるか。ここで、新たな悩みが生まれてくる。まあ、無事に乾燥しての話だけど。

      11.2

コンスタンチン・ブランクーシという彫刻家は、具象彫刻から出発し、だんだん造形を単純化

しながら抽象化していった。代表作にタマゴ型の人の顔のような作品があるが、抽象的故に台座が

必要になって、だんだん台座を含めて一つの作品になるという方向へと進んでいった。その台座の

あり方も、工夫が進んで、台座の上に別の形の台座が乗り、その上に造形物が置かれ、それらが

一体となって一つの作品となる。もっとも最終的にはアトリエに並べられた作品とその空間そのものが

一つの作品と考えるようになって、彼はその状態を維持するという条件のもとに、美術館に寄贈すると

いうことが行われた。立体造形にとって、空間との関係性は重要な要素になっている。東京で

開かれている、マルセルデュシャン展、デュシャンは美術館に便器を持ち込んで、泉というタイトルで

展示した。これも、空間との関係性を考えると面白い発想だった。もちろん最初に行ったという

ことにおいて。なぜこんなことを考えているかというと、現在制作中のオブジェ、単純化した形

ゆえに、台座が必要になり、それらのバランス、形、周りの空間というようなことを、毎日考えて

いるから。焼き物は、例えば料理を守る器だと、盛り付けとの関係を考え、花器では、花との関係が

重要なのだが、いずれも、どちらかというと、引き立て役であり、主というよりはむしろ従の存在

なのだが、オブジェはそれ自体が一つの作品として空間に存在することが重要になる。それゆえ、

どうしたら、存在感があり、なおかつ空間を壊さない、そんな難しいテーマにチャレンジして、

毎日戦っているのですが、はっきり言って、表現力と造形力が、まだまだ足りない気がして、

苦しんでいる。

       11.1

 

 

 

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