陶芸 屋久島日記

今日は、地元の集落のお祭り。この天気だから、最後まで、判断に苦しんだようだが、決行と決まった。

フェリーは二日つづけて、欠航なほど、海上は大時化。それにもめげず、高速船は運行しているが、かなり

揺れが激しいようで、今日、到着した、家族連れは、かなりの船酔いに悩まされたと聞く。それでも、

体験で、ろくろに挑戦して、小さなお子さんたちは手びねりで、いろいろ作ってゆかれた。そういえば、

今日から公立の学校は一斉に夏休みが始まる。車の運転には特に注意しないと、子供の飛び出しが何

より怖い。蒸し暑いし、今にも降り出しそうな空模様で、夏空には程遠いが、ギラギラの青空もそう

遠いことではないだろう。明日は、参議院選挙で、政界地図はどうなることやら。お隣の韓国との関係は

絶望的な状況になってしまった。それに秋には消費税の10パーセントへ増税が予定されている。世の中の

景気の先行きが心配。ただでさえ、物が売れない時代になっている。工房の先行きも全く読めない。

なんとか、細々とでも、続けて行ければ良いのだけれど。

     7.20

週末、くたくたデー。畑作業の後、家に戻ると、水道が濁っているというので、川に上がって、タンクの

掃除。工房では、窯出し、仕上げ、荷造り作業。メールが入って、海外へ送った器が1個、破損したと

いうので、郵便局へ2度走り、打ち合わせ。これがなかなか面倒くさくて、保険付きとは言っても、

これはほぼ諦めることにする。先方へも手数をかけるし、手続きが大変そうで、それほど高価なもので

ないなら、自腹を切った方がずっとストレスがかからない。だけど、それがはっきりするまでは、

保険付きだから、安心なんて、信じていたのだから、我ながら、世間知らずではありました。そんな

こんなで、心労と一週間の疲労とで、夕方には、困憊であります。ハアー!。

       7.19

近頃、農業関係の本を4、5冊、買ってしまった。不耕起栽培であったり自然農だったりと、集まった

本から、今気になっているのがそういう方だったのかと改めて気軽いた。屋久島に来て、畑仕事の

真似事を始めたのは、御多分に洩れず、福岡正信さんの「わら一本の革命」に感化されてからだった。

これは、いわば自然農法のバイブルといっても良い本で、書かれていることを鵜呑みにして、荒れた

耕作放棄の田んぼに、耕しもせず、肥料もやらず、タネを蒔いた。当然ながら、芽は出たが、全く

成長しない。焦って、慌てて、周りに肥料をまいたり、草を払ったりしたがあえなく、枯れてしまった。

まあ、頭だけで、描き出した、理想の農業の姿が、簡単に成功するはずなどないことは、後から考えれば、

当たり前のことではあるのだが。それから、お隣のおばさんについて、まず、石灰を撒いた後、一度、

トラクターで混ぜくってもらい、そこへ牛糞堆肥をばらまいて、耕運した後、畝を立てて、タネを

蒔いたり、苗を植えたり。すると、当たり前のように野菜が取れることがわかった。これが、いわゆる、

慣行農法という、もっともポピュラーな栽培法だった。ただ、ある程度、わかった気になると、少し、

変わったことがやりたくなってくる。そこで、むかし読んだ、自然農が、またぞろ頭に蘇ってきた。

そんなわけで、現在、畑仕事復活から、3年目にして、またまた、福岡さんの後を継ぐ、人たちが

どんな風に、発展させながら、畑仕事を進めているのか、その辺が知りたくなって、その方面の本に、

興味が再燃したということだと思う。

       7.18

今朝、3時半ごろ、いつものように畑に下りようと、外に出ると、空一面のうろこ雲。赤い大きな

月の光に照らされて、輝いている。なぜか、「月の砂漠をはーるーばるとー」という歌が浮かんできた。

そして、今いる、この地球が遥かな宇宙にぽっかり浮かんだ、小さな星で、その、ほんの片隅に

こうして立っているのか、という感慨が湧いてきた。長い、数十億年という歴史の中の、ほんの瞬きにも

足りないような時間の中で、人は泣いたり笑ったり、悩んだり喜んだり、毎日、地面の上を這いずり

回って生きているのだ、ということ。辺りが明るくなって、朝の散歩の時間にカミさんと歩きはじめると、

赤い大きな月を見上げて、まあ、すごいと、感嘆の言葉を漏らす。それから、海に沈む月を眺め、

すっかり色の変わったうろこ雲が、北に移って、今度は朝日に輝いているのを見上げる。空は一瞬ごとに

変わってゆく。同じ姿に出会うことは2度とないのね、とカミさんがいう。

       7.17

昨日、一昨日と、鳴き声が聞こえなかった蝉が、また鳴き出した。なぜ、鳴かなかったのかと不思議

だったのだが、種類が変わったのかなあ。そういえば、ラジオで、東京では蝉が鳴いてないという。

気温が低いためか、日照不足か、これも気候に関係しているのかしら。先日、散歩の途中で、海中温泉の

近くの、電線の高いところに蜂が巣を作っているのを、カミさんが見つけた。あんな高いところに、

それも丸見えのところにと指をさす。目ざといというか、鋭い観察眼だと思った。今年は台風が少ない

のかしらとも。昔から、蜂が低いところに巣を作る年は台風が多いという言い伝えがあるから。今年は

カタツムリが大発生してるし、ここへきて、小さい、コオロギの赤ちゃんが畑にうようよしている。

落ち葉や、前に育てた野菜の残滓もそのままにしているからなのか。原因はよくわからない。なんに

しても、自然に営みは、わからないことばかりだと思う。

       7.16

青空がのぞいて、お日様が顔を出した。連休の最終日でお客様もぼちぼち来てくれて、気分が

明るくなる。雨が続いて、誰も寄り付かない頃は、この世界が終わってしまうのではと絶望的になり

かかっていた。体験作品の素焼きをして、釉薬をかける。今日は、アマゾン・プライムデーとかで、

セールが始まったらしく、息子はあれこれ物色中。しかし、自分のものではなく、カミさんの

タブレットを購入。それではと、何か探すが、特にこれといって欲しいのもが思い浮かばない。

あれこれ見ていたら、ヘッドライトを発見。朝の畑仕事で暗い時間には必需品だから、現在2つを

使い分けているが、予備にもう一つぐらい欲しいと思っていた。普段、1100円のが900円と安いには

安いが、それほどでもない気もする。タイムセールで、よく見ると、数量限定で売り切れてしまって

いた。それではと、同じ機種で色違いのが、まだ売れ残っているので、慌てて購入。なんだかまんまと

乗せられた気もするが。台風シーズンにあって困るものでもないし、値段も値段だし。近頃、いつも

頭に乗せているので、家族からはヘッドライト爺さんと呼ばれている。これでますます、この名前は

定着しそうだ。

       7.15

朝は、サルよけのネット張り。いかに低価格で、効果がある対策ができるかと、頭をひねり、ネットで

情報を集めて、オークションで手に入れた、牡蠣網を鉄のパイプに園芸用のポリのポールを差し込んだ

ものに引っ掛ける。網の幅が思ったよりも狭く、これでは簡単に乗り越えてしまいそう。何か別の網を

繋ぐ必要がある。それでも、ここからは猿や鹿の侵入はダメだぞ、という意思表示にはなると思う。

これから、夏の野菜や秋の芋が実る頃に備えて。連中は一度でも、味をしめたら、繰り返しやって

くるに違いないから、転ばぬ先の杖というか、備えあれば憂いなしというか、できるだけの努力は

しておかないと、後の祭りとなりかねない。昨日、電気窯の接続部品が届いたので、組み立てる。

これまで、いつも、息子に任せていたので、初めての作業。なんとか組み上がって、通電してみたが、

異常ない様で一安心。早速、昇温テストも兼ねて1000度まで焼いてみる。外も蒸し暑いが、工房の中は

それにも増して、熱気がこもって地獄の釜の中みたいだ。

       7.14

昨日は、勝手に梅雨明け宣言してしまいましたが、朝から雨空が戻ってしまいました。一旦、

北上した梅雨前線がいつの間にか、この辺まで下がっています。勝手に戻り梅雨と呼ぶことにします。

だけど、あながち、見当違いと言えないこともあります、奄美地方がどうやら梅雨が明けたようです。

屋久島も北と南ではだいぶ、天候が違って、ここ南部はどちらかというと、奄美の天候が近いのです。

だから、屋久島の天気を見るより、奄美の天気が参考になったりします。多少は、負け惜しみになり

ますが。昨日は、畑にバジルの苗を植え付けたのですが、今日はビニールハウスに植えました。それに

ほとんど枯れかかっているミニトマトを収穫して、処分しました、半分ぐらいはまだ青いトマトですが。

冷凍しておいて、後でまとめてトマトソースにしようと思っています。

       7.13

屋久島は、梅雨が明けました。勝手に、宣言します。気象庁の発表は、まだまだ先だと思いますが。

沖縄は梅雨明け宣言してから雨が続いたそうですから。苦い経験を生かして、きっと慎重になって

いると思います。この暑さ、まさに夏の暑さです。昼に、家から戻ってきましたら、どこかの

お父さんが、工房の前で、一生懸命虫取りをしていました。虫かごを足元に置いて。きっと、可愛い

息子のために、昆虫採集をしていたのだと思います。近頃、集落内では虫を取れるところも減って

きたのかもしれません。もうすぐ夏休みですから。こちらも、夏バテしないように、塩分も油も

控えるのをやめて、とにかく、スタミナをつけようと思っています。肉も遠慮なく食べて。ここの

ところ、晩は炭水化物はやめて、ダイエットに励み体重も60キロをなんとか維持してきたのですが、

今は、それよりもまず、暑さを乗り越えられるように、一生懸命食べようと思っています。夏野菜も、

これから、畑で育ってくると思いますし。トマトは別として、ナス ピーマン きゅうりと夏の野菜が

大きくなってきました。農薬を使わない、獲れたての野菜をいっぱい食べて、元気に夏を過ごして

行きたいと思っています。

       7.12

暑い。朝からムッとするような。昼に温度計を見たら30度の大台。湿度も、すごくて、頭がぼーっと

する。スリップの下地の黒化粧を入れ忘れるミスを、後から息子に指摘される。全部でなくて

よかったが。もう、ハウスのトマトは諦めよう。ここまで、よく引っ張ってきたと思う。去年と

比べて、大健闘。これからもう一度タネをまいて、秋を目指そうと思う。梅雨が明けたら、台風が

待っている。どうやって、乗り越えてゆこうか、思案のしどころ。

       7.11

今日も、雨です。朝のうちは上がっていたのですが。天気予報では、曇りとなっていたのに、やはり

降り出しました。いい加減、雨にはうんざりしてます。作った器が乾きません。もう置き場所がなく

なりました。かといって、製作しないわけにはゆかないし、湿った器を重ねるしかありません。畑

だって、止み間を見て、きゅうりの苗を植えたのですが、ちょっと降りすぎです。土がぐちゃぐちゃな

ところへ日が照ったら、腐ってしまいそうです。もう、何度目かの種まきだったのに。鹿児島のコメ

農家では、田植えの後雨が降らずにカラカラに干からびて、その後、今度は大雨で水にすっかり浸かる

という、泣きそうなことが起こったようです。自然は呵責ありません。人の事情など、斟酌してくれ

ません。何処かの国の、政治とは違うようです。それで、負けてしまったら、百姓はやってられないと

言われそうですが。それにしても、恨めしい、空模様ではあります。

       7.10

雨が続いた後、日が差すと、一気に草は伸びる。家の芝生も、工房の駐車場も、県道沿いの看板周りも

草だらけ。だから、今朝はくさはら行きで刈ってゆく。ざっと刈り終えたら、前から気になっていた、

工房脇に溜まった落ち葉を片付ける。軽トラに山になる程組み重なっていた。毎年、大雨で工房に水が

溢れそうになる。これで、なんとか、今年も大丈夫そう。スリップウェアのコーヒーカップを仕上げて、

劣化した電気窯の線を張り替える。電熱線だけでなく、配線の方もだいぶ傷んでいるのを発見して、

急いで、注文する。これから、夏のシーズンに向けて、準備を整えなければ。

       7.9

今朝、畑で草取りをしていたら雨が降ってきたので、ハウスに移動。ハウスは、雨の心配がないからと

安心していたら、どうも雷鳴が近づいてくる。初めて、ハウスの中で、雷を迎えて、かなりビビる。

まだ、遠かったからなんとかしのげたけれど。もし、すぐ近くだったら、おそらく我慢できないと

思った。何しろ、頭の上全部で、空が光って、あの音が響いてくるのだから。家の中で、窓の外から

見るのとは段違いの迫力に違いない。家ならば、天井があって、屋根もある。ハウスは、薄いビニール

一枚きり。それも、鉄パイプが並んでいる下にいるわけで、どうぞ落ちてくださいと呼んでいるような

ところだもの。想像しただけでも、恐ろしくなった。

       7.8

よく、占いで「失せ物出ず」と書かれることがあるけれど、今日は、いろいろ無くなる日。まず、

コーヒーカップにスリップウェアの柄入れをしようと、化粧土を探すと、残りが少ないので、作り足そう

と、カオリンという白い土を探すが見つからない。確かに買い置きがあったと思ったのだが。仕方なく、

他の材料で間に合わせて、次に漏斗を探すが、あんなにたくさんあったものが出てこない。刷毛を探し

ても、どういうわけかみつからない。ノズルが詰まった時のための針がまた、見当たらない。もうこの

辺で、今日はそういう日かと諦めて、なんとか昼の食後休みも取らずに、頑張って作業を終えて、道具を

洗っていたら、水が止まった。大雨が続いたからなあと、川に上ると、取水パイプが流されて見つから

ない。下流の方まで探しにゆくが、引っかかっているのもあったが、海まで流されたらしいのもあって、

とりあえず、どうにか工夫して、水は引きなおすことはできたが、すっかり濡れ鼠になってしまった。

工房に戻ってきたら、カミさんが着替えを持ってきてくれた。息子から、あのままだと、絶対風邪を

ひくよと聞かされたとのこと。いやはや、よく動いたし、よくものがなくなったものだと思う。

       7.7

河口恵海著、「チベット旅行記」を読み終える。アマゾンの青空文庫で見つけた本。当然キンドルで。

明治時代に鎖国していたチベットに、仏教を学ぶために忍び込む話。これが、思いがけず面白く、夢中

になる。全く、脚色がなく、あの時代の謎の国チベットに単身、異国人であることを偽って、何年も

かけて、ついには、国の法王にまで親交を得る。珍しい風俗と、わずか100年前に過ぎないけれど、

徒歩で高地に順応しながら、困難な旅に挑み、それを克服する、執念とに圧倒される。本当にすごい

人がいたものだと思う。

       7.6

久しぶりで、お日様が顔を出したので、大喜びでベランダに器を出したのですが、昼過ぎてもう

パラパラ、あとはまたいつもの雨模様です。あー、待ち遠しいなあ、梅雨明けが。今朝は、外の雨よけ

フレームの中の、ミニトマトを収穫しましたが、半分は腐っていて、残ったのもカタツムリが

かじったのや、身が割れたのばっかり。それに、次々と枯れかかっています。せっかくここまで、

調子良かったのに、うーん、残念。それでも、もったいないから、収穫して、トマトソースにでも

しようと思っています。

       7.5

昨日は、鹿児島本土を心配してたんだけど、人ごとではなくなってきた。前線が南下してきて、

ここの雨がひどくなった。どうも止む気配がないし。前に起きた大雨で、県道を走ると、あっちこっち、

応急的に土嚢を積んでいるところが目につく。この雨で崩れた崖がさらに崩れるのではないかと、

気が気でなくなる。いかに雨に慣れているとはいえ、これだけ降ると、危ない気がする。そして、

降り続いた後に、雨が上がってかっと陽に照らされると、畑の野菜は耐えきれずに、枯れてしまう

ものが多い。今年はもしかしてと淡い期待をしていたが、やっぱり自然は甘くはないようだ。

       7.4

よく降りますねえ。毎年、梅雨の末期って、こういう感じにはなりますが、それにしても今年は格別、

多い気がします。ここ以上に心配なのが、九州本土。鹿児島も宮崎も、大きな川があるから、氾濫したら

町に水があふれて、被害も甚大になります。鹿児島市内全域、避難指示って、どういう感じなのだろうか。

交通機関も運休で、車で避難するって言っても、逃げるところがどこにあるのか、下手に動いて余計

災害に巻き込まれないだろうか。なんとかこれ以上降らないことを祈るしかないのかなあ。人間て無力だ

なあと思う。それ以上に自然の力の大きさを感じます。屋久島も含めて、とりあえず、無事に乗り切って

くれることを祈っております。

       7.3

毎日、朝起きるとまず、バケツを持って、さつまいも畑を一周する。抜かずに残した大根の種に

張り付いているカタツムリを捕獲するために。小さなポリバケツに半分ぐらいにすぐになる。100匹

以上あっという間に捕獲できる。そんな日がずっと続いていたが、ナメクジ駆除の薬をまいた翌日には、

半減、その翌日も同じぐらい、それが三日目の今朝はなんと6匹だけだった。足元にはおびただしい、

殻が転がっている。あまりの効果に、驚いた以上に、恐ろしくなってしまった。薬剤の威力がこれほど

とは。去年の今頃、試しに小松菜の種を蒔いてみたら、見事にあっという間に虫に食われて、消えて

しまった。そこで、今は、生協から、定期的にまとめて、買って、スムージーに入れている。それが、

全く虫食いもなく、柔らかく、綺麗なのだ。一体どんな育て方をしたら、そんなふうに栽培できるの

だろう。スーパーに行っても、見事に大きく成長した、野菜が並んでいる。専業農家の方達が、それぞれ、

長い時間研究を重ねて、確立した栽培法を実践してあの様な野菜ができるのだと思う。ただ、ひょっと

して、いろいろな農薬を使って、見た目の美しい野菜ができているとしたら、ちょっと不気味な

気もしてくる。本来野菜は、虫にとっても、大好物だろうから、いくらかは虫食いがあってしかるべき

だと思うのだが。毎朝、スムージーで生を口にするから、どうも気になって仕方がない。

       7.2

夕方、宅配便の配達が来て、「最近観光客見ないねえ」という。「本当に」と返すと。「レンタカーも

全く走ってないし」と。帰り際、「世界遺産になったのは何十年前だったか・・・」と。確かに、

その通りで、特に日本人のお客さんが減ってしまった。今日も、中国人の3人組とコロンビアからの

一人だけ。一体どうなってしまったのだろう。先日、集落からお祭りの寄付の依頼が来た。最初に、

「梅雨の候、御社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」と書かれていた。ところが、

最後の方では、「御社におかれましても、寄る不況の折苦慮されていることと存じますが・・・」と

なっていた。当然前の言葉は定型的な挨拶文で、後が本音と思うが、ここまで、はっきり、世の不況を

謳っていることにびっくりした。現在屋久島において、観光産業への依存度はかなりのものになって

いることはわかる。民宿の数、レンタカーに山岳ガイド、それ以外でも観光に関わらない業種はほとんど

ないと言ってもおかしくないと思う。我が工房も、島を訪れる観光客が減少してしまえば、成り立たなく

なってしまう。山と原生林があり、ウミガメが産卵し、シカやサルなどの野生の動物たちと出会い、

美しい海が人々に安らぎを与えてくれる。そんな島が維持されて来たからこそ、いまだに、この島を

訪れてくれるひとたちがいるのだと思う。ところが、サルは畑を荒らし、鹿が増えすぎて駆除している

現状がはたからどのように映るのか。これから先、自然と人間とがどのような関係を築いてゆけば

良いのか、目先の観光産業ばかりでなく、地球と人のあり方を一人一人が模索してゆかないといけない

時がきている気がする。

       7.1

「大草原の小さな家」という番組が再放送されている。昨日の放送は、小麦の収穫を目前にして雹が

降って、倒されてしまう。全滅状態で、冬を越すために出稼ぎにゆくという話。自然の恐怖に立ち向かう

家族の話。夕方には「イタリアの小さな村の物語」。農業を始めた若者の話。アーティーチョークの

収穫に始まり、トマトの植え付け、車での移動販売などの奮闘記。今日の午前中も、「イタリアの

小さな村の物語」。主人公は退職した元高校教師。彼も今は毎日畑仕事に励んでいる。おかしかったのは、

彼が使っている耕運機。うちで使っているのと同じメーカーの同じ機種。海の向こうとこちらで、

同じ機械が、使われている。ちょっと、嬉しい。トマトの苗の植え付け風景が流れている。耕運機を

走らせた後、棒で地面に穴を開けて、トレーから引っこ抜いては植え付けてゆく。「畑は世話をやめたら、

元の森に戻ってしまう」という言葉。なぜ、教師になったのですかという質問に、エドモンド・デ・

アミーチスという作家の、「クオーレ」というのを読んでという。早速、ダウンロードして、読み始めた。

キンドルは本当に便利だと思う。

       6.30

最近書いているのは、どうやら屋久島闘芸日記だ。闘芸の芸は園芸という意味。草や虫たちとの

闘いの日々。タイトル変えたほうがよさそう。昨日、農協の人が集金に来た。この地域は、工業用の

電気は農協が管理している。だから、電気代も農協が集金に来る。それも資材課の課長、おんみずから。

そこで、カタツムリ大発生という話は聞きませんかと聞いてみた。特にないという話。あっても、

どちらかというとナメクジが多いという。特に、雨の季節にはと。て、ことは我が畑が特別なのか。

ナメクジに効く、農薬があると教えてくれた。ネットで、カタツムリのことを調べると、思い当たる

のが、殻のこと。殻を作らないと生きてゆけないから、カルシウムが必要。そのため、コンクリまで

溶かすことがあるらしい。3年前に菜園を始めた時、永田農法をまず参考にした。普通、酸性土壌を

中和させるために石灰を撒くが永田農法では、まず、ケイ酸カルシウムという、主に田んぼで使う

材料を使う。なぜかはよくわからないが、その教えを守って、種まきの前に畝にケイ酸カルシウムを

撒いている。まさに、カルシウムだ。それと、今は不耕起栽培というのを始めた。これは前に育てた、

野菜をそのままにして、空いてる場所に次の野菜を育てる。枯れたり、タネになったりしたら、その

まま畝においておく。するとゆっくり分解して土を肥やし堆肥になってゆくという考え方。今、大根の

後にサツマイモを植えているが、そこがカタツムリの天国と化している。濡れて、腐りかかったような

環境が大好きなので。つまり、カタツムリ大発生の原因はその辺にあると考えられる。そして、この

まま放っておいたら、植える野菜どれもカタツムリの餌食になるに違いない。どうしたものか。農協

からの誘いもあったし、とりあえず、午後、一袋、買ってきた。そして、今朝、四時頃、畑とハウスの、

カタツムリの集まっているところに、パラパラと撒いてみた。とりあえず、どうなるか、様子を見ようと

いうことで。特別、無農薬とか有機農法とか、こだわっているわけではないし。ただ、できることなら、

多少、虫食いがあっても、重せで売っているように綺麗でなくても、自然に近い育て方をしたいと思って

いるだけだ。それだって、全滅しては、情熱も失ってしまう。何事もテゲテゲで丁度良い。テゲテゲとは、

大概、大概という意味だろう。何事も無理しないことが長続きへの道につながると思う。

       6.29

昨日の、夕食後、幸い雨も上がってるし、まだ明るさも残っていたので、庭を一回りしてくるねと、

外へ出た。毎年一年草を育てている花壇が、ウォーターマッシュルームに占領されているので、しゃがみ

こんでむしり始めた。やりだすと夢中で、ついつい暗くなるまで、手を真っ黒にして、続けてしまった。

朝、目をさますと、カミさんが、あなた、背中にカタツムリをくっつけて寝ていたわよという。どうやら、

どこかでくっついてきたらしい。今朝は、いんげんを撒いた畑でノゲイトウが無数に芽を出していた

ので、それをむしっていると、10センチぐらいに伸びた、茎や葉っぱにカタツムリがいくつもむしゃ

むしゃ食べている。これは、また丸坊主にされそうだと、慌てて、防虫ネットを張ることにした。

ここにきてにカタツムリの傍若ぶりはエスカレートして、家のプランターで育てている、アロエも

ガザニアもすっかり食われて、無残な姿に変わってしまった。どうも、これまでの対策で、生ぬるい

ことに気がついた。これまではなんとか共生できればと考えていたが、そんな甘っちょろいことでは

畑も花も全滅しそうな勢いだ。徹底抗戦するしかないのかもしれない。

       6.28

蒸し暑い。頭も重いし体もだるい。気圧が低いためだろうか。熱帯低気圧は屋久島に近づいた後、

東に向かっているらしい。まとまった雨の後、急に陽が差して、その後風が吹き出した。こんな日は、

人間もきついが、植物にとっても、厳しいと思う。畑の方は、成り行きに任せるしかないが、ビニール

ハウスは、なまじっか、いろいろできるから、対応に右往左往する。昨日、密閉したのを、今朝はまた、

解放して、午後に陽が差したら、今度は大慌てて、上の方のビニールをめくり上げる。一体何をやって

いるのやら、暑すぎると枯れそうなトマト、水と暑さが大好きなナス、それにピーマンも育てている

から、どこに照準を合わせたら良いのか、ただオロオロするばかり。日照りの時は涙を流し、寒さの

夏はオロオロ歩きと歌ったのは宮沢賢治。あっちは命がかかっていたのだろうが、楽しみで野菜を

育てていても、心はよくわかる。去年よりは少し、野菜のこと、わかるようになった気もするが、

それでも、全然、ど素人。少しずつ成長して行ければ良いと思うのですが。

       6.27

突然の台風接近のニュース。まさに晴天の霹靂と言おうか。熱低がいたことは知ってたし、台風に

なるかもということもわかっていたが、太平洋沖を東にゆくだろうとそれほど心配してなかったが、

昼のニュース番組で、どうもこっちへ来そうな気配。それに、もう一つ、すぐ南に熱低が生まれて、

そちらの動きも怪しい。三時の休憩で、明日のバスの運休やら、注意喚起の緊急放送が流れると、

やはり、備えをしとかきゃあと、ハウスへ走る。今朝、一本枯れて泣く泣く処分したトマトのためにと、

上を開けたピニールを閉め直して、逆に風が入り込まないように密閉する。一体何をやっているのやら。

とほほな気持ち。今朝、何かの話で、息子から、夏に野菜は、屋久島、無理なんじゃないの!、と

言われて、いやいやそのために毎日奮闘しているのにと、反論したばかり。まあ、掛けている時間と、

費用を考えると、スーパーで買ってきた方がはるかに安上がりなんだけど。中学時代3年間、園芸部で、

毎日、堆肥づくりに励んで依頼、夢だった園芸ライフがようやくこの屋久島で始まったばかりで、

諦めるわけにはゆかないんだよと自ら、鼓舞しているところなのであります。

       6.26

素焼きの窯づめを終えて、ホテルの売店の棚卸に出かける。昨日、とうとう流し虫(シロアリの

巣別れ)が来て、朝からカミさんが大奮闘。家中の羽と死体を集めて疲れた顔をしている。紫陽花も

そろそろ盛りを過ぎて、色褪せ始めている。家を出るときは降っていなかったが、北に向かうにつれて、

だんだん雨脚を強くなる。棚卸を終えて、ホームセンターで、猿対策に使うパイプを注文して、北に

向かう。買い物をして、昼になったので、何を食べようかというので、カミさんが美容師さんに紹介

された店に行ってみることにする。夜はカフェバーで、ランチもやっているというので。赤い外装の

店を見つけて、足を踏み入れると、二人とも、あまりの場違いな雰囲気に尻込みしてしまう。大きな

ホールの、真ん中にゴージャスな椅子とテーブル。そこを囲うように周りにボックス席が並んでいる。

慌てて、出ようと思ったが、二人とも固まってしまい、結局案内されるまま店に入って、角にある、

ボックス席に腰を下ろす。昼はお任せのランチのみ。出てきた料理はごく普通の家庭料理が小鉢で

少しずつ。最後に出された、コーヒーが香りが良くて、ホッとした。お店のオーナーの女性とも、

普通に話ができて、こちらの仕事の話になって、焼き物屋だと知ると、奥から、我が工房の器を出して

来て見せてくれた。ずいぶん前に焼いた、焼締の小鉢で、今の仕事とはだいぶ違っている。おそらく

何十年か前に作ったものだと思う。思いがけない、昔の作品を見ることができた。思えば、ずいぶん

長いこと、焼き物作りを続けて来たんだなと、改めて、思っている。

       6.25

2週間ぶりに、器作りに戻ってきた。と言っても、轆轤ではなく、たたらの仕事。スラブローラーで

土を伸ばして、皿の原型作り。去年注文をもらって、うっかり忘れていたら、先日、工房を訪れて

くれて、再注文してくれた。できるだけ、そういう失敗はしないように心がけていたのだが、去年は、

特別忙しくて、あっちこっちに不義理をしてしまった。これからは、そういうことがないように、

一人一人のお客様を大切にしてゆかねばと、思っている。

       6.24

昨日の、午後の日差しで、ハウスのトマトの何本かが萎れてきた。ここまで、順調にきたというのに。

このままでは去年に二の前で全滅しそう。今朝、慌てて、入口と裏の、天井部分のビニールをめくる。

そこには熱を逃がすための窓を作っておいたのだが、その上にどうしても、熱が溜まる場所ができて

しまう。完全に開け放してしまえば、よりスムーズに空気が流れてくれるだろうと。今年は、早くから、

ビニールの上に寒冷紗を被せて備えていたのだが、幸い、例年より涼しいことも相まって、多少徒長

気味だが、ここまでは無事だった。ようやく、下の段から、実が熟し始めた矢先だった。屋久島で、

夏野菜を育てるということは雑草、虫、雨、暑さ、猿といろいろ戦う相手が多い。そんな中で、全てに

完全に勝とうと思っても無理だから、なんとか、分かち合えれば良いのだが。なかなか、相手も容赦は

してくれない。午前中は、上半期に溜まってしまった、段ボールや梱包材を整理して、午後は、花の

種をまく。毎年、連休明けに撒いていたのだが、今年は野菜を優先していたら、今頃になって

しまった。夏までの花が咲いてくれると良いのだが。

        6.23

さて、何をしようかな、なんて、近頃思うことはなかった。あれもしなけりゃこれもしなけりゃと

一日せかせかしていたが、珍しく、今日は・・・。畑でも、とりあえず草でも取るかと、サツマイモ

畑で、ウォーターマッシュルームを抜いて。この草が、近頃畑中に広がって、大変なことになっている。

元来は水草らしいが、園芸店で見つけて、どんな花が咲くんだろうと、何の知識もないまま、庭に

植えたのが間違いの元。今では所構わず広がってしまった。仕事場でも、さて何から始めようか。

こんな日はハウスキーピングデイにしようと決めて、その前に、体験作品を仕上げておかなきゃと、

ろくろ体験の器を削ったら、思ったより時間がかかって、午後まで手を取られる。そのあと。汚れた

雑巾を洗濯して、古いダンボールやクッション材を整理する。物置として使っているスペースに

置ききれないで、はみ出してしまった。体験作品を送るのに必要だからと溜め込んでおいたもの。

使えそうなものとそうでないものと選り分けてとっちらかって、気がついたら、もう夕方。あとは

明日の作業にするか。とうとう作ろうと思っていた仏像には、手が届かなかった。

       6.22

先週、型抜きを終えて、密閉ケースで保存しておいた。仕上げ前に乾いてしまうと、仕事がきつく

なるので。今週は、その仕上げ作業をしたのだが、この季節、カビが生えてしまっていた。土に生えた

というよりも、離型剤に使った、片栗粉に生えたのだと思うが、そのカビで作業のしづらいこと。

口で吹き飛ばしながらやると、細かい粉が空気中に舞って、吸い込むとむせて苦しい。それでも、

やらないわけにはゆかないから、こんなに吸い込んで身体に大丈夫かなと、心配しつつ、半分ヤケで、

いつも以上に根を詰めて、やってしまった。それも、今日で全て終了した。いつもなら、あと、

一週間ぐらいかかっってもおかしくないところだが。これでしばらく、本業の器作りに戻れそう。

だけど、型の仕事をしていると、どういうわけか、オブジェや仏像が作りたくなってきた。畑の方も、

種まきがほぼ終わって、ちょっと一息つけそうなので、朝にでも、また土で遊ぶのも面白そうだなと

思い始めている。

       6.21

夕方、仕事を終えて、日記を書くのが習慣だけど。たまに書けないこともある。ネタが思い浮かばない

というわけではなくて、大抵時間がなくなる時だけど。昨日も、そんな日だった。体験が大幅に遅れて、

終わったのが工房を閉める時間を回っていた。西部林道周りできたら、予定よりも時間がかかって

しまったと言っていたが、どうも写真を撮っていたらしい。持っていたのが、ライカの超高級カメラと

ゴープロと呼ばれる、手のひらに隠れるような超コンパクトカメラ。おまけに、香港からの留学生と

彼女とで、彼女の方は全く日本語がわからなくて、いちいち通訳してもらいながらだから、時間も

余計にかかってしまった。それでもなんとか作り終わってから、ひと騒動。カメラオタクらしく、

その話で盛り上がっていた時、ふと見るとシャツのお腹のあたりが真っ赤に染まっている。どうやら、

出血しているらしい。蛭じゃないかなと離れで服を脱いで調べてもらったが、姿は見つからなかった

というから、どこかで離れたのだろう。それでも、なかなか血が止まらずに、血に染まってしまった

ということらしい。宿はどこに泊まるの?と尋ねると、まだ決まってないという。どこかオススメは

ありませんかと、尋ねられたが、そんな遅い時間に果たして泊めてくれるところがあるのだろうか。

まあ、暇な時期だから大丈夫なのかもしれないが。そんな調子で、行き当たりばったりの旅かと、

妙に納得した。

       6.20

バジルが3袋目にして、ようやく育ち始めた。虫に食われないようにネットでぐるぐる巻きにしたのが

功を奏したらしい。トマトのフレームも下から猿にはいられないように、ネットをぐるりと巻いて、

隙間なくしっかりと固定した。手元にあった、防風ネットを使ったのだが、今朝見てみると沢山の

カタツムリが張り付いている。やはり、夜食っていたのは、カタツムリだったらしい。怪我の功名で、

カタツムリよけとして機能してくれた。それと、ハウスの入り口の上に開けた、風通し用の窓も

防風ネットで覆いをした。これも猿対策としてだが、小さい虫は通過できるだろうが、カタツムリ

ぐらいになると防いでくれそうだ。あとは、夏に向けて、畑全体にネットをかぶせようと思っている。

こちらは資材がないからこれから準備して、ぼちぼち進めるつもり。狭い畑とはいえ、全部を覆うと

なると、手間もお金もかかりそう。備えあれば憂いなしという言葉があるが、やれれてからでは遅い

ので、早め早めに対処してゆこうと思う。

       6.18

畑をやっていると、いろいろ戦う相手がある。日々伸びてくる雑草に虫、カタツムリと。それに新たな、

ていうか旧敵が帰ってきた。昨日の夕方、畑のスモモがそろそろ食べごろだなと、様子を見にゆくと、

実が一つもない。前日の大風で落ちたのかなと、下を探すが、見当たらない。そこで思い出したのが、

草払い作業での話。今年は変で、どこのスモモも実がつかなかったという。え、うちはいつもより

少ないけど、生っているよ、というと、それなら猿にやられるわ、という。彼は、すぐ近くで熱心に

家庭菜園に取り組んでいるらしいが、近頃猿の群れがやってきて、被害を受けているという。ボスザルは、

普通、女、子供には向かってくるが滅多に男には来ないけれど、その群れのは向かってきたという。

それに、どうやら、近くを住処にしているらしいとのこと。彼の家と同じ川筋に面しているから、

絶対にやられるはずだというのだ。てことは、まさに的中したということだろうか。それにしても

あまりにタイムリーすぎはしないか。そういえば、スモモのすぐ傍で育てているトマトも荒らされた

跡が見つかった。彼は畑に網をかぶせたと言っていたから、無防備な我が畑が狙われたらしい。

今朝、慌てて、トマトの周りにネットで覆いをしたが、これから、枝豆やトウモロコシ、スイカ、

狙われそうな野菜が育っている。秋にはサツマイモもできるだろうから、早めに対策を取らないと

手遅れになる。以前、パッッションフルーツを育てていた時も、猿と鹿にやられて、畑を諦めた。

それが、猿が来なくなって、ようやく畑を再開できたというのに。ここ2年間は現れなかったが

3年目にして、またまた、奴らが戻ってくるとは。しかし、こっちも、今度はやられっぱなしと

いうわけにはゆかない。なんとか、対策を練って、野菜を守ってゆきたいと思っている。

       6.17

年に一度の、農道草払いの日。近くに住んでいても、ほとんど顔を合わさないから、前に会ったのは

去年の草払いなんてひとが多い。それでも、休憩時間の話になると、まるで昨日のつづきのようになる

から不思議。なぜか、毎年一人ぐらい、顔ぶれが変わる。新しく越してきた人。あの世へ旅立った人。

様々だが。今年の班長はちょっと年が上で、もう次の班長はないわ!、という。次に回ってくるのが

11年後だとすると83やで、死んでるか、生きとっても杖ついとるわ。確かに、次に班長はないだろう

なと思う。けれど、この草払いだけは、来年も元気で出たいとも思う。もし出られないことになったら、

それは大きな病気をした時か体が自由に動かなくなった時だろうから。風が吹いて、曇り空で、

気温も低く、割と楽な日だった。ただ、どこの家にもまだ、流し虫がきていないのは、共通で、

いつくるか、ちょっとした話題になっていた。

       6.16

昨夜からの雨も朝方には上がり、ときおり陽も差している。しかし、とにかく風が強い。唸りを

上げて、吹き荒れている。海上も大時化で今日もフェリーは欠航。こんな日は、ハウスの対応が難しい。

風に対しては、脇のビニールを下ろしたいが、締め切ったら、暑くなりすぎて植物が枯れてしまいそう。

朝、様子を見たら、横風で、ピーマンが倒れかかっていたが。仕事は順調で、午後はラジオの美空ひばり

特集を聴きながら進める。もうすぐ、没後30年になるとか。52歳で亡くなったから、生きていれば

82歳になるという。流れる曲どれもが、胸に沁みてくる。昔はそれほど好きではなかったのに、歳を

とったのか、懐かしさに、惹き込まれる。30年経っても、人の心を打つものを残してきた、やはり

偉大な人だったのだ。振り返って、果たして、どれだけ、残るような仕事をしてきたのか。もっと

しっかりしなさいと、励まされた気がする。

        6.15

本焼き作品が焼きあがったので、納品にゆく。ちょうど一ヶ月前に注文を受けて、明日が納期なので。

その近くのホームセンターで、今日から売り出しが始まり、カミさんが欲しいものがあるというので

一緒に。途中から、雨脚が強まり、車の乗り降りだけでも、服がびっしょり。帰りの車で、お腹も

空いたので、昼どうしようかと相談して、ラーメンぐらいがいいわねというので、最近あごだし

ラーメンというのぼりが出ているのを思い出して、そこで食べようかと走ってくると、途中で

本格カレーの店のオープンの札に、急ブレーキで予定を変更して、そちらに入ることにした。その店、

通りかかると、大概閉店の看板がかかっている。カミさんは前に一度行って、雰囲気が良いと

言っていた。お店は本に囲まれた落ち着いた雰囲気。何組かの先客がそれぞれ、窓に向かって

座っていて、こちらが入っていっても誰も振り返らない。お店の人も、料理中らしく、顔を見せない。

中央に三つの席が空いていて、その一つに勝手に腰掛ける。声をかけたものか、それともじっと

待っていたものか、勝手がわからず、本棚から適当に本を引っ張り出して、読みながら待つことにする。

そのうちに、水はセルフサービスと書かれているのを発見して、カミさんに持ってきてもらう。

そのうち、他の人の料理を運んできた、ご主人が気がついて、注文を取ってくれる。ご飯が普通の

量だとAといって、大盛りは1.5倍らしい。それぞれチキンのカレーと、豆のカレーを頼む。

しばらくして、黄色い、おそらくターメリックライスが丸く守られて、その中央がクレーター状に

なって、そこにカレーが盛られているものが運ばれてきた。味は、インドに行った時、食べた味が

こんなだったかなあと、うろ覚えだが、懐かしいような、香辛料がしっかりとした、カレー。汁気が

少ないから、ご飯と混ぜて口に運ぶと、具の大きなピラフを食べているみたい。付け合わせの

ブロッコリーがしっかりした歯ごたえ。カミさんは食べきれないからとこちらのお皿に盛り分けて

くれる。近頃、我が家は食が細くなっていて、外で食べると、おなかがきつくなることが多い。

外は雨が降り続いて、緑がしっとりして、村上春樹の海辺のカフカの中のあるシーンを思い出した。

山の中の小さな図書館でご飯を食べたような、不思議な経験だった。

       6.14

ここ、一週間ほど、型と格闘していた。その仕事も、明日あたりでケリがつきそうと思っていたが、

そうなると、つい性分で、根を詰めてしまい、一日早く終わらせてしまった。頑張った達成感と、

やりすぎた疲労感でちょっと、虚脱気味。この仕事、例年、年の瀬にやっていたのだけど、去年は

突然大きな仕事が入って、結局納期を伸ばしてもらった。そんなこともあって、早め早めが良かろうと、

この時期に始めたのだが、それにしても、少し早すぎたきらいは否めない。まあ、原形作りまで

終わらせておけば、あとで慌てないで良いと思うが。年をとると、どんどんせっかちになってゆくのは、

どういうことだろう。

       6.13

昨日の朝、畑を見回っていたら、大根を育てた後にサツマイモの苗を刺した畝に、おびただしい

カタツムリが集まっていた。なにやらべったりと寄りかたまって、交尾しているらしい。どうにか

しないと、大変だと、対策を考えた。ビールトラップは、効果があるらしいが、普段発泡酒で我慢して

いる身としては、ちょっと二の足を踏んでしまい、それではと発泡酒で試してみたが、見向きも

されなかった。調べると、コーヒーが効くということがわかり、それも、豆は高価なので、インスタント

コーヒーで試すことにした。コーヒー一瓶を、お湯で溶いて、ジョーロいっぱいに薄める。それを今朝、

畑に撒いてみた。しばらくして、様子を見にゆくと、カタツムリたちが頭と尻尾をいっぱいに伸ばして

いる。なんか、効いてるような気がして、期待が持てそう。明日まで様子をないと結果はわからないが。

でも、一瓶使ってジョーロいっぱいだから、畠やハウスに使ったら、相当な量が必要になる。もう少し、

お金をかけないで効果が出そうな方法はないものか。頭を悩ませている。

       6.12

毎日、いろいろなことがありすぎて、何を書こうかなと思うんだけど、やっぱり、バジルかな。

2袋、全く芽が出なくて、新しい土に、具体的に書くと、赤玉とピートモスと腐葉土をミックスして

つくった、土にタネをまいて、工房のベランダに置いて、朝昼晩にジョーロで水をやったら、綺麗に

発芽してくれたんだけど、それをハウスに持っていって、二つのうち一つの苗床はほぼ虫に食われて、

これは大変と、工房のベランダに持ち帰って、防虫ネットを被せて管理したところまで、前に書いたん

だけど、今日見たら、一つは完全に消えていて、もう一つの苗床の方も、半分は何かに食べられ、

残っている葉も、よく見ると、どれもたべかけられている。これは、全部やられるのも、時間の

問題だろうと、土をひっくり返して、念入りに調べたが、虫らしき姿は見つけることができなかった。

ということはどこかから夜やってきて、朝になったら帰ってゆくのだろうか。土を苗床に戻して、

今度は、虫にはいられないように、下側にも防虫ネットを敷いて、ぐるりと巻き込んで、タネを

蒔きなおした。トマトは今のところ、なんとか育っているのに、バジルでこれほど苦労するとは

思っても見なかった。この戦いはいつまで続くのだろうか。

       6.11

朝から、3ヶ月に一度の定期検診で病院へゆき、薬をもらって帰ってくる。てことはもうすぐ今年も

折り返しになるということか。早い、早すぎる、「ああ お前は何をしてきたのかと 吹き来る風が

 私にいう」 なんて 言葉が口をついてくる。この調子だと、何もしないで今年が終わってしまい

そうだ。帰ってきて、止まった水道の修理に川へ上がり、あとは道路の草払い。今年の、農道切り払い

作業が迫っている。もう、周りはそれぞれ自分の持分の道路ぎわを、綺麗にしている。いっぺんに

やるのは、きつそうなので、草の生え方が酷いところだけ、先にやっておこうと思ったのだが、結局

止まらなくなって、全部刈ってしまった。あとは、側溝の埋まっているところを、掘り上げて、片付ける

のみ。そうそう、今朝、病院で熱を測ったら、三十七度あった。鼻水が出るし、風邪気味らしい。

先生が、薬出しましょうかと言ってくれたが、大したことないから、いいですと断ってしまった。

今思うと、貰っておけばよかった。汗掻いたあと、体を冷やさないようにしないといけない。夏風邪は、

治りにくいとよく言うから。

        6.10

今朝、ナス、ピーマン、シシトウを初収穫した。唐辛子も、前に採って干していたのを一緒にして、

家に持ち帰ったら、結構カラフルで、ちょっとウキウキした気分になった。先日は、ミニトマトを

パスタにして食べたら、濃い味でまるでドライトマトのようだった。ナスは、去年のが年を越して、

再び実をつけてくれた。唐辛子も、去年のが今も赤く熟している。我が家の野菜は不思議と年を越して

くれるものが多い。それは、屋久島の冬が温かいのと、耕さないで、放ったらかしで育てているから

だと思う。あまり肥料もやらないので、実は小さいが、野生に近くなって、生命力が高まっているの

かもしれない。それに、食べきれないで余ったのはそのままにして、畑で花がが咲いたり、実がついたり、

そのうちに熟して落ちた種から芽が出てきたりと、だんだん畑なのかなんなのかわからなくなってきそう。

去年植えつけて、全然ダメだった、山芋と生姜を放っておいたら、ここにきて、元気に葉が茂り

始めている。よそで、一年で育つものが、ここでは2年がかりで大きくなるということかもしれない。

ところで、今、畑の中に作った花壇でグラジオラスが見事な花をつけている。花が大きすぎて、

倒れてしまったので、支柱で支えたやった。畑の中に、綺麗な花が咲くと、まるでポタジェに

なったように見る。本当に小さな花壇だけど、これから、色々な花で飾ってやろうと思っている。

       6.9

トレーにタネを蒔いて、綺麗に芽が出たので、これで安心と、昨日ハウスへ運んでおいた。今朝、

のぞいてみると、二つのうち、一つのトレーに出たはずの芽がほとんど消えている。もう一つの方は

無事だが。おかしいと思って、よくみると、若芽が何かにかじられている。そして、カタツムリが1匹、

端っこに張り付いている。それと、小さな青虫が二匹、こちらは固まって死んでいる。おそらく

どちらかが新芽を食べ尽くしたのだろう。今朝、畑で草取りをした時、カタツムリの多さに呆れて

しまった。土の中にもゴロゴロいる始末だから、これは、野菜はたまらないだろうと思った。バジルの

芽を食べた犯人がどちらか、それは今の所わからないが、何にしても、ハウスの中もカタツムリ天国の

ようだ。仕方がないので、もう一度、トレーを工房のベランダへ運び出し、食べられてしまった方の

トレーにタネを蒔きなおして、防虫ネットで覆いをした。バジルの苗も、ある程度大きくなれば

枯れることはないようなので、しばらくは工房で育成するしかないのだろうか。野菜の楽園は虫たちに

とっても楽園だということを学んだ。

       6.8

日々、物事がうまくゆかずに落ち込んだり、逆にうまくいって喜んだりと、どうして、こうなんだろう。

もっと、淡々と過ごせないものだろうか。まずは、窯出ししたカップの釉薬がよれてしまったこと。

注文の品で、まだ数的には余計はあるが。作りが薄すぎて、釉薬が乗らなかったのか、釉薬の厚さと

タイミングか、焼くときに湿気飛ばしが足りなかったのか、釉抜き材が手について剥げてしまったのか、

原因がよくわからない。今朝、ミニトマトの初収穫をした。去年は色づく前に枯れてしまったから、

一歩前に進むことができたけど、これから本格的な梅雨で、急に晴れた時が怖いのだけど。バジルが

3回目にして、やっと芽が出てきたこと。土が悪かったのか、途中で日に当たって乾いたのがよく

なかったのか。昨日、ネット通販で注文したものが届いたのだけど、なぜか、以前注文して、もう

手元にある本と、買おうかどうか迷って、保留にしていたものまで、一緒に入っていた。操作を

間違えて、変な注文をしてしまったのだろうか。今朝、畑で石に蹴つまずいて、地面にすっ転んだ

のだが、そのせいかどうか、着替えに出した、服にヒルが付いていて、カミさんがびっくりして、

畑に飛んできたり。泣きそうになったり、ちょっと嬉しくなったり、まるでシーソーに乗っている

ような一日なのでした。

       6.7

昨日、カミさんが里芋に芽が出てるんだけどどうする?、という。もう、植え付ける場所もないし、

どこかへ捨てるか、と返事した。しかし、一晩たって、里芋も、種を維持するために必死に生きて

いるのに、なんとかしないとと、思い直した。里芋は、連作を嫌うので、4、5年は空けた方が良いと

いう。だから、どこか空いた所にでも、まとめて、植えてやれば、来年の種芋ぐらいにはなるかもと、

現在サースがはびこってしまった、家に入ってすぐの荒れ地に植えることにした。草はざっと抜けば、

なんとかなるだろうと、始めたのだが、これがなかなか簡単にはゆかない。ススキの大株もあれば、

木の根も出てくる。結局、大汗をかいて格闘するが、とても植え付けるところまでたどり着けない。

それに、サツマイモも、だいぶ芽が出てきて、こちらもなんとかしないといけない。幸い、晴れて

いるので、雨になる前に、やっつけてしまわないとと思うのだが。農作業の真似事も、なかなか

思うようにはゆかないなと、痛い腰をさすりながら思っている。

       6.6

型抜きをする。この時期、お客さんがほとんど来ないから、手を止めることがなく、集中できて

良いのだけど、一つ困ることがある。それは離型剤が湿気てしまうこと。離型剤といっても、ガーゼの

袋に片栗粉を入れて、石膏型に振りかけるのだけど、湿ってしまうと、固まってしまいうまく出て

くれない。仕方がないので、新しい片栗粉を近くの店へ買いにゆく。ついでに冷たいものでもと、

氷菓子を買うと、店のオヤジさんが、アイスがよかなあ、というので、暑くなりそうだからというと、

ぬくうなっかもねえという。朝から、太陽が顔を出して、日差しが強まる。昨日、蒔いたバジルに

陽が当たって、濡らした新聞紙がすぐに乾いてしまう。それで、何度も、ジョーロで水をかけてやるが、

今度は、暑くなりすぎないか心配になる。どうも、今年はバジルとの相性が良くない。やることが

裏目裏目と出るようだ。今のスワローズとよく似ている気がする。

       6.5

バジルの種を蒔き直す。これで3袋目。どういうわけか、芽が出ないので。1回目は、古い土に腐葉土を

混ぜて、セルトレーに蒔いた。翌日、日が当たって、乾いたのがよくなかったのかなと、二度目は同じ

トレーに蒔いた後、覆土して、朝晩、乾かないように水をあげた。それでも、芽が出てこない。今回は、

古い土が良くなかったのかなと、赤玉と腐葉土とピートモスを混ぜて、トレーではなく育苗箱に撒いて、

ビニールハウスではなく、工房のベランダへ置いた。乾かないように濡れた新聞まで被せて。これで

ダメなら、タネが悪いのだろうか。同じ種屋さんから買ったものだが。それにしても、バジルなんて、

畑でも、ハウスでも、土に適当にバラバラ蒔けば勝手に育ってくるものと思っていた。現にそんな

感じで毎年、育ててきたのだから。工房の下のバス停に誰かが、蒔いたバジルが育っている。草を

抜いただけの、ゴロゴロ石混じりの荒地のようなところだ。それが元気に育っているから、なんというか、

心穏やかではない。そうなると、向きになる。こうなったら、生えるまで、撒き続けてやるぞと。

ちょっと、大人気ない気もするが、どうも、しつっこい、この性分だけはどうにもならないみたいです。

       6.4

植物を見ていて、気がつくのは水で育つということ。昔、炭酸同化作用という言葉を習ったが、今は

光合成と呼ぶ。読んで字のごとく光の力で炭酸ガスと酸素を合成することを言うのだが、どちらに

しても、水がないと成立しない。だから、蒸散作用という、根っこが水を吸い上げて、葉が外へ

排出しているということ。学校で本で学んだことを今、目の前で、植物たちがやってくれている

わけだ。もちろん太陽も必要だし、土とともに養分も必要、そして土の中には空気もないといけない。

しかし、なんといっても水の力だ。ここのところ、雨が多くなって、畑に生える草や木の伸び方が

ものすごい。その勢いには圧倒される。だから、今朝も、雨の止み間をみては雑草の草刈りをしたが、

つい数日前に取ったはずの場所があっという間に草に覆われている。当分は、草との競争が続きそうだ。

        6.3

ぼちぼち、仕事をしながら、過ごそうと思っていたら、午前中のろくろ体験の予約が入った。合わせ

て6名、息子に助けをもらって、なんとかこなしたが、今日のエネルギーを使い切ってしまった。午後は、

昨日読み終えた、新平家物語の次に読む本を物色する。外国文学が良いかなと、トーマスマンを読んで

みたが、どうにも入ってゆけない。他に何かと色々当たるが、どうもこれだっという本に出会うことが

できない。あまりにも、吉川英治の世界に入り込みすぎたせいだろうか。ずっと、キンドルだったから、

ここらで紙の本に戻るのも良いかもしれない。

       6.2

今日から六月。朝から、雨。梅雨入りしてますからねえ。でも、大丈夫、ハウスがあるから。

今朝は、トマトが背が伸びて、足りなくなったので、継ぎ足し作業。藍子は調子が良いみたいだが、

もう一つの、千果の方が、丈ばかり伸びて、実がつかない。どうもこの品種、脇芽を欠かない方が

良いみたい。どうも、傍から出た枝に花が咲くらしいのだ。芯止まり性というらしい。ミニトマトと

いえばどんどん上に伸びて、次々と花がつくものと思っていたのだけど、脇に脇にと伸びたがるのも

あるみたい。勉強になります。さて、あとは雨の止み間にどぶさらいしたり、工房で、化粧掛けしたり、

型抜きしたり。まあ、そんなふうに、六月も進んでゆくのかなあと、思っています。

       6.1

 

 

 

 

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