陶芸 屋久島日記

橋本治さんが亡くなった。ほぼ、同年代でもあり、ずっと定期購読している、筑摩書房の雑誌、

「ちくま_の巻頭コラムを担当しておられたので、びっくりした。昨年発行ぶんを忙しさでほとんど

読んでいなかったので、読み返してみた。10月号に闘病記が載っていて、がんの発見から、手術に

至る顛末が綴られていた。感情を抑えて、自身を客観的に見つめ、時にユーモラスに描いている姿が、

橋本さんらしいと感じた。我が身がそのような立場になったら、いったいどのようになるのか、

その姿が想像できないだけに、余計に胸にしみてきた。それと、とことん作家なんだなということも。

おそらく、自身のこととなったら、最後まで土にしがみつくのかもしれないとも。もう一度、

いろいろな作品を読み返してみたいと思う。

       1.31

一日、大皿を挽く。嬉しかったのは、一つも失敗がなかったこと。去年は、ひどい時には半日、

全部潰れたこともあったけど。あの、苦しみが役に立ったのか。ただ、今日は一つずつ、土を練った。

若い頃は10キロや15キロぐらい一度に練ったものだけど、年には勝てず、シコシコ小さい粘土の塊を、

それも200回ずつ練って、やっと轆轤挽きができたのだけど。でも、引いてる途中で潰れると、

落ち込むから、これで良かったのかな。年相応のやり方で、なんとか凌ぐしかないということか。

作っている最中に、追加の電話が入ったりして。なんとタイミングの良いこと。2度手間にならずに

済んだし。

       1.30

昨日はついサッカーを見てしまって、朝いつもの時間に起きることができず、6時半過ぎの散歩に

なった。だいぶ明るくて、ライトの必要がなく、周りの景色も良く見えて、色々な人の動きもよく

わかる。犬も、いつもよりゆっくり歩いている。景色を見ているのかな。まあ、勝ってくれたし、

大迫も活躍したし、たまにはゆっくり歩くのも良いかなと思った。

       1.29

陶芸体験を再開しました。昨年の秋から休んでいたのですが。あまりにも久しぶりで、かなり緊張

したのですが、なんとか無事に終えることが出来ました。この時期、お客さんも滅多にないので、

ほとんど引きこもりみたいです。これから、工房のお店の作品を充実させてゆきたいと、新作に

取り組んでいます。

       1.28

本焼窯出し。器はいつものだから、安定しているのだけど、アクセサリーがなかなか思い通りに

ゆかない。色が単調だし、釉薬が流れたのもあるし、まだまだといったところ。それでも、なんとか、

ものにしようと、ペンダント用の金具をつけようとするが、市販のが全く合わなくて、針金で自作する。

それをハンダで止めようとしたが、どうしてもすぐ取れてしまって、致し方なく接着剤を使う。次の

紐を通すための金具も、市販のが合わなくて、またまた自分で作る。その輪っかを、ハンダで

閉じようとしたのだが、これがなかなか上手くゆかない。何しろ細かいし、ルーペがないとよく

見えない。手もブレてしまって、思うように溶けてくれない。なんとも、醜い出来。初めての作業

ばかりで、簡単にはゆかないとは思っていたが、それにしてもひどい。器作りは50年近くやってきた

から、なんとか形になるのだけれど。でも、ここまで、それなりに道具も揃えたし、今更撤退するのも

癪だから、なんとか少しずつでも、進めてゆこうと思うのです。

       1.27

あられが朝から舞っていた。冬がようやく到来。フェリーも欠航で、まさしく孤島状態。

轆轤で、超小物作り。ペンダントトップができないかと、試作中。なんか、品がないんだよなあ。

却下かな。ダメ元だからいいけど。ここしばらくは、お客さんもなさそうだし、次の仕事のアイデアを

色々模索中。

       1.26

毎月、25日は空港近くの宿の売店の棚卸しで、いつもなら次男をデイケアに預けて、家を空け

られるのだけど、なんせ、インフルエンザの大流行。人一倍、感染症に弱い体なので、当分家で

過ごさせている。近頃、引きつけを起こすことが多いので、油断ができず、家で留守番をする。

朝から、家にいることはあまりないから、ちょっと持て余し気味だが、カミさんの本棚から、

ワイヤーアートやヘンプアートの本を見つけて読み漁る。これまで、それほど興味の持てる世界では

なかったが、読んでみると、なかなかにおもしろい。特にワイヤーアートは道具の扱い方から、

編み方まで、細かく書かれていて、いろいろヒントが散りばめられている。ただ、陶器とどう

組み合わせるかについては、何も書かれてないので、こっちの創造性が試されるところ。一歩

間違えると、安っぽくなりそうなので、余計に工夫が必要になる。まして、オブジェに取り入れると

なると、まさに未知の世界だから、やりようによっては、新しい何かが生まれるかもしれない。

       1.25

ここにきて、去年からの諸々に区切りがつきそう。もう、とっくに日本を出ているはずだった、

器たちも、ようやく書類の準備が進んで、国を出てゆくようだし、税金の申告の準備も進んで、

今年、納品のうつわの素焼きもして、今日は釉薬掛けに入る。物事って一気に移り変わるのではなく、

徐々に移行して、気がついたら新しい何かが始まっていた、というようなことなのかも知れない。

年初の目標としていた、オブジェ作りは全く手付かず。その代わり、アクセサリーの方は毎日奮闘中

というわけ。と言っても、あまりの酷さに、技術的にも、知識でも、われながらこれではどうしようも

ないと、夜布団の中で、ネットで勉強しては、朝、いろいろ試しているところだけど、相変わらず、

道は遠く、まあ、今は小学生レベルといったところなのです。まあ、半歩ずつでも、前に進む

ことができれば、嬉しいのですが。

      1.24

今朝、散歩の帰りに畑に寄ってみた。ハウスと野菜畑の間の、前にサツマイモを育てたところに

大根の種をまいて、そのままにしていた。カミさんも、そこまで足を伸ばしたことがないと

言ってたが、見ると、そこそこ大きくなっている。試しに何本か抜いてみたら、小ぶりの大根が

育っていた。これから、しばらくすると、ちょうど良い大きさになりそう。家では去年作った

干し大根もたくさん残っている。さて、あの大根、どうしたものか、今から悩んでいる。また、

干し大根にするか、それとも、漬物が良いか、たった一袋、蒔いたのに、思った以上の成長ぶりに、

またまた頭が痛い。嬉しい、悩みだとは思うのですが。

       1.23

離れが、着々とアクセサリーとワイヤー工房へと変身している。ミニルーターや半田ごて、それに

バーナーなど、どう見ても陶芸であまり使わない道具が並んで、前に作ったオブジェと合わさって、

かなりの異空間ができてしまった。最初はペンダントを作ろうと始めたのだが、陶器と合わせると

面白いことがわかって、むしろ植物や昆虫なんかが面白いのではと、遊び心が湧き出した。ワイヤー

って、柔らかいラインとシャープな線がちょっと、鉛筆や銅版画のようにも見えるから、立体デッサン

のような面白さがある。それに土のざっくりした肌がミックスすれば、新しい世界が作れるのでは、

ワクワクしている。当然、完成度のあるものができるまでには、たくさんの時間と修練が必要だとは

思いますが。

       1.22

ここのところ、痛かった腰が、だいぶ良くなったなと思ったら、今度は膝が痛い。特に、ひねった

とかいう記憶はないが、気がついたら違和感があって、歩くとき引きずるような感じがする。まあ、

それでも、痛い方の足で、一日轆轤を蹴ることができたので、大したことはないと思うが。70歳を

前にして、人並みにあっちこっちガタがきているということだと思う。テレビをつけると、やたらと

薬のコマーシャルが流れて、やれコンドロイチンだヒアルロン酸だとか、年寄りが顔をしかめた

画像が流れている。それだけ、多くの人が同じような悩みを抱えているということだと思うが、

無理をせずに、年相応にぼちぼち動きましょうということなのだろう。

       1.21

昨日から、二日、針金で遊びました。箸置きに巻きつけて、半田で付けて、最初は全然溶けて

くれなかったり、玉っころになってしまったり、溶けて流れてしまったりと散々で、思った通り

全くゆかないことに愕然としました。フラックスを変えたり、コテの先や温度を変えることによって、

少しずつですが、くっついてくれるようになりました。でも、接着面の汚いこと。これじゃあ、

ワイヤークラフトなんて、とても呼べるレベルではありません。当分はハンダやワイヤー、ペンチ

などに慣れることが必要だと痛感しました。でも、知らない世界に触れるのは楽しいもので、時間が

経つのを忘れてしまいます。いつか、格好良い、アクセサリーが作れると良いのですが。

       1.20

今日の昼過ぎ、テレビをつけたら、関口宏のインタビュー番組をやっていた。今日のゲストは

横尾忠則。彼の人生を追いながら、生き方に迫っていた。今年82歳になる彼の戦前から、現在に

至るまでの足跡を追った構成。内容は、これまで彼が一貫して語ってきた、脳は嘘をつくが体は

嘘をつかないという話。絵画のY字路シリーズについても、語っていたが、ふと気が付いたのは、

最近、手に入れた絵がY字路シリーズそっくりだったこと。もちろん別の作家が書いた油彩画で

1980年代だから、むしろ横尾が描いた時代よりも前になるのかもしれない。それにしても、

オークションで手に入れた時には気がつかなかったのだが、横尾の作品に惹かれた結果、無意識に

同じ構図の絵を手に入れたのかと、われながら不思議な気持ちになってしまった。制作に対する、

彼のスタンスは大いに刺激を与えてくれたし、すごい人間が発するパワーには圧倒されてしまった。

       1.19

昨日はケーキを焼きました。17日の結婚記念日と、十九日の我が誕生日のちょうど中間の日と

いうことで。ひとパック400円のイチゴを使いました。実はクリスマスにも焼いたのですが、

千円以上もして手が出ず、チョコレートケーキにしました。一つのロールケーキにひとパック使うと、

お店で売っているのよりはるかに豪華で、それに材料は卵と、少しの小麦粉、それに控えめの砂

糖だけですから、ヘルシーです。いつも、作り慣れてるワンパターンのケーキですが、美味しく

いただきました。ちかごろ、なかなか、調理場に立つ時間がなくて、正月前を除いてですが、

お菓子作りは陶芸とよく似て、ちょっとした工夫で微妙に変化するので、もっとやりたいと思う

のですが、今は、アクセサリーの勉強で必死ですし。毎朝、散歩の途中で見かける、ご近所の

カフェの、メニューの看板で、今週のスイーツが、黒豆と雑穀のパウンドケーキとなっていて、

非常に気になっているのです。例によって、どの様な作り方で、どんな味がするのかと。でも、

パウンドケーキって、結構バターをたっぷり使うことが多いと思いますから、ダイエット中の

身としては、我慢しているところです。

       1.18

今日の、午前中に起きた、口永良部島の爆発的噴火。ニュースをラジオで聞いたんだけど、

しばらくして、硫黄の匂いが漂って、あたりの空気も黄色っぽくなった。風向きがちょうどこちらに

向かっていたのだろうが、やはり、気になる。昨年末にも、あったし、今年に入ってからは地震も、

種子島沖の震源で起きた。この島に、50年近く暮らしているが、あの様にグラグラ揺れたのは初めて。

窯でも焼いていたら、かなり嫌な気分だったと思う。日本列島が、活発に動く時期に入ったらしいと

いうことは、聞くことだが、ここのところの動きは、少し心配になる。今から7千数百年前には、

喜界カルデラの爆発で、屋久島は火の海になったというが、すぐ南のトカラ列島にはいくつもの

活火山があるし、ここから歩いてすぐの海中温泉だって、マグマから吹き出した熱が生み出して

いるわけだから、今更、なのだけど。まあ、地球の生命そのものがマグマが冷えた地殻の上に、

誕生したのが生命体なのだし、そう考えれば、人類は太陽と大地の恵みのおかげで、いのちが

与えられて、存在しているのだけど。そういう意味では、人間の文明もも、驕ることなく謙虚に

生きなさいということだと、思うのですが。

       1.17

午前中、用事があって家にいた。手が空いた時間に、畑に下りてみた。近頃、カミさんがサラダや

煮物に引いてきては使ってくれている。ほとんど、ほったらかしだったが、結構育っている。ちょっと、

肥料不足か、葉先が黄色くなっているので、鶏糞をバラバラと撒いてやった。植え付けの時、

液肥を撒いてから、一度だけ、鶏糞をまいてから、何もしていない。耕運機も鍬も使ってないから、

まさに不耕起栽培。おまけにほぼ有機栽培で無農薬。理想としていた、ことがこんな具合に

できてしまったことに驚いている。耕さないと、前に育てた野菜の種がこぼれて、あっちこっち

から勝手に育っている。何より嬉しいのはパクチー。タイカレーやエスニックに欠かせない野菜が、

まさに野生化して育っている。ただ、ほったらかしは決して自慢にはならないから、これから、

時間があるときは、雑草ぐらいは抜いてやりたいと思うけれど、一昨年の開墾作業が夢のように

思えてくる。

       1.16

ここのところ、いろいろなことの区切りが重なって、気持ちがどうも仕事に集中できない。

去年の後半、頑張った仕事の納期限が今日で、実際には、もう海運会社には届いているわけで、

近く船に積み込まれて、日本を出てゆくことだとか、家の屋根をどうするかも、昨日、塗装屋さんと

ほぼ話がついたり、今日は、保険屋さんから連絡が入ったり、身辺多忙で、落ち着かないところです。

そして、今日が、我ら夫婦の38回目の結婚記念日で、かみさんと、朝から、街に買い物に出る

ことにしました。何か、昼には美味いものでも食べたいと思いましたが、ここは屋久島、おまけに

今日は火曜日で、ほとんどの飲食店がお休みです。やっと、空いてる店を見つけたら、何やら、

大勢で会合のようなものを開いていました。かなり政治的な話が聞こえてきて、これは革新系の

団体の集まりだなと、理解できました。中には顔見知りの人もいて、ちょっと会釈して、元気ですか

という当たり障りのない挨拶。食事にも、なかなか集中しにくい状況でした。ホームセンターに

寄って、気にかかる材料を探しましたが、やはり、品数が限られていて、ネットに頼るしかない

現実を改めて、知らされました。それでも、あっちこっちの店で、食材を仕入れて、まあ、ちょっと

した気分転換をして戻ってきました。ここまで、何はともあれ、夫婦ともに大きなトラブルもなく、

過ごしてくることができたことに感謝しているところです。

       1.15

久しぶりに、山から引いてる水道が止まり、水源地に上がる。ここのところ雨が少ないのか、

水路を流れる水がチョロチョロ。もう一人、修理に来た人がいて、かなり苦労しながら、あっちこ

っち動き回っていた。こっちの水道も、悪いところが色々あって。一旦、工房に戻って道具を

使ってなんとか修理する。途中で、何人かの人に出会って、今日が祭日であることを思い出す。

そう、成人の日だっら。いつの間にか、成人の日が月曜日に変わって、昔は15日で、その日が

我が結婚記念日だった。国は、その時の都合で、祭日を勝手に増やしたり、移動したりする。

記念日とは、まさにその日でないといけない日だと思うのだが、連休を増やすためだとか、経済効果

だとか、よく分からないけど、都合で動かしてしまう。今度の元号の改定だって。もう分かって

いるのだから、早く発表すれば良いと思うのだが、これも誰かの都合で先に延ばしている。政治とは、

我々庶民とは別の原理で動いているらしい。梅原猛さんが亡くなったニュースを知って、一時夢中で

読んだことを思い出した。著書に導かれて、法隆寺に行ったり、円空の彫刻に興味を持ったり、

本当に、いろいろ勉強させてもらった。何よりも、自分の感性で、物事を見て考えることの大切さを

教えてくれた。心より、ご冥福を祈りたいと思います。

      1.14

パソコンに向かっての、作業をする。書類を書いたり、ラベルを作ったり。我が家のパソコンは、

ずっとマックを使っているが、ソフトがどんどん使いづらくなる気がする。昔は統合ソフトと

言って、計算から、図形、ワープロまでなんでも簡単にできるソフトがあったが、どんどん

生産が終了して、専用のソフトでは、あまりにも専門的すぎて、価格も高くなるし、使い勝手が悪くな

る。それでも、何度もやり直しを繰り返しながら、でっち上げるが。途中で、どういうわけか、

動かなくなるし、何かないのかなあ、シンプルで使いやすいソフトは。てな訳で、今日は嫌な

疲労が溜まった一日となりました。

       1.13

この前の台風でやられた、家の屋根を昨日大工さんが見にきてくれた。全面吹き替えをするには、

まだちょっと早いということで、今日はペンキ屋さんが来てくれて、調べてくれた。築年数を聞いて、

ギリギリという。普通は15年ぐらいで塗装するらしい。我が家は今年で19年目。それでも、普通よりも

多めに塗って、なんとかなりそうとわかってほっとする。しかし、何しろ馬鹿でかい家だから、

平米数が半端ない。ざっと見積もりしても、かなりの金額。一度は、自分で塗り替えを考えた

こともあったが、とても無理、落ちたら命だってどうなるか。家族と話し合って、お願いするかと

いうことになった。昨日も大工さんが言っていたことだったが、家は必要最小限に立てるのが正解と。

そんな話、建てる前に言ってくれたらよかったのにと、今更ボヤキが出てくる。今年も、頑張って

仕事して、なんとか前を向いてやってゆこうと思う、今日なのでした。

       1.12

方、雨になりました。東京はカラカラだとラジオで言ってますが。荷物の送り先の神戸から電話で、

遥々海を越えて届きましたと連絡が入る。こっちは国内にはちょくちょく送っているから、あまり

ピンとこず、むしろこれから大海原を超えて外国まで無事に届くのかの方が心配なのだが。あちらは

船会社だから、むしろそっちの方の信頼が高いらしい。なんにしても、これから何日かかって、

荷物が送られるのか、心配してもどうにもならないことだけど、無事に先方まで届いてくれる

ことを祈るのみです。

       1.11

アクセサリー作りが難しい。昨日、型抜きして、化粧をかけて、串に刺して乾かしていたら、

今朝になってみると、串に刺したところが割れている。収縮で穴が縮んで割れてしまった。考えれば

当たり前だが、まさか一晩でそこまで収縮するとは。小さいものだから、いっぺんに化粧をかけた

かったし、綺麗に乾かしたいし、やり方は間違ってなかったと思うのだが、この仕事は朝やるべき

だった。小物は、それだけ乾燥も早いということを忘れていた。こんな初歩的なことでさえ、

失敗してみないとわからない。どんな仕事も、経験を重ねないと、上手くゆかないものだと思った。

小さなものだからと、甘くみていた。小さいということはそれだけ繊細な気配りが必要なのだ。

近頃、彫金の本を読んでいると、それ用の道具の種類の多さに驚かされる。それだけ、細かい作業は、

技術がいるということだろう。色々揃えたくなるけど、ここはじっくり、必要なものとそうでない

ものを、見極めないと、余計なものばかり増えてしまいそうです。

       1.10

朝、クルマ2台で来て、4人がかりで荷物を運んで行ってくれました。ガランとした離れを見て、

本当に終わったんだなと、実感しました。今朝は、珍しく、4時起きで、昨日石こうを流した、

アクセサリーの部品を仕上げました。そして、一日、型抜きと仕上げ作業。ついこの前まで、

高さ1メートルのオブジェを作っていたのが、今日は数センチの小さなものを作っています。

その落差に、ちょっと笑ってしまいます。なんと振り幅の大きいことかと。まあ、土で作るもの

ならなんでも作るというのが我が信条ですが。大昔、U字溝を作ったことを思い出しました。

あれもかなり変な仕事でした。大昔、コンクリートやプラスティックがなかった時代は、それこそ、

土管も土を焼いていたわけですし、古くは埴輪に土偶、それから土を焼いた勾玉だってあったわけで、

大抵のものを土で焼いて作っていたわけです。今は、素材が幅広くなって、ありとあらゆる材料が

用いられるようになりました。まあ、馬鹿の一つ覚えみたいに、土を焼くことしかできない、

身としては、ただ、ひたすらに、土と格闘するしかないのですが。

       1.9

穏やかな、一日になるかなと思ったけれど、現実は甘くありません。荷物を取りに来てくれるように、

電話をして、夕方の約束だったのに、今日は荷物が多くて取りにゆけないと連絡が来て、明日

間違いなく来るというけど、果たして、どうなることやら。かみさんが家の保険を払いに行って、

駄目元で台風被害のことを言ったら、午後、見に来てくれて、農協の人と、二人で屋根に上がったら、

風に煽られて、梯子が倒れるハプニング。幸い、途中で庇に引っかかったので、下の車に被害は

なかったが、工房の息子に助けを求めることに。おまけに、屋根は台風の被害だけではなく、

劣化もあるから、保険は難しいと言われてまた、ショック。屋根を葺き替えたらどのくらい

かかるかと聞くと、この大きさだと、数百万だという。その金額の多さにまたショック。かと

言って、放っておくわけにもゆかないし。メインテナンスを考えたら、もっとコンパクトな

家を建てたのにと、我が浅はかさに落ち込む。今更、20年近く前のことを嘆いてもどうしようも

ないのに。あー、何か良い方法はないものか、午後はろくに仕事が手につかなくなってしまったよ。

今更、どうにもならないとはいってもねえ。

       1.8

なんとなく、スースーした感じ。娘たち家族が帰って、いつもの暮らしが戻ってきたが、やはり、

ちょっと、皆、気が抜け気味。今日は、七草のお祝いで、カミさんは朝から、粥の準備をしたり、

「祝い申そう」という行事で、子供達が回ってくるので、その支度をしたり忙しそう。工房でも、

鏡餅を片付け、正月飾りを外し、本格的に、仕事モード。今年から、始めようと思っている、

いくつかの仕事の準備で、必要な道具や材料を物色する。今は、便利なネットがあるから、情報も

素材も、大抵のものはここでも、居ながらにして入手できる。毎年、年の初めにチャレンジするぞと、

思い込むが、結局は、日々の仕事に追われて、途中で投げ出してしまう。今年こそは、なんとか、

前に進めたいと思うのだが。

      1.7

年末から里帰りしていた、娘と孫が帰っていった。途中から、旦那も合流して、賑やかだった

我が家にも日常の暮らしが戻ってきた。送っていったカミさんは空港で号泣したという。近頃

とみに涙もろくなっているからさもありなん。昨日、工房へ来て、器を買いたいというので、

ちょっと難ありのコーナーへ連れていって、好きなのを選ばせた。目に見えるか見えないかぐらいの

傷でも、売り物にできないから、普段使いには問題ない。嬉しそうに選んでいったので、今日はそ

の器の手入れをしたり、アクセサリー作りについて色々調べたり。それに、やはり、気が張って

いたのだろうか、今日は腑抜け気味だ。これから、少しずつ、上げてゆけば良いと思う。

       1.6

最後の荷造りチェックと宛名書き。これで完全に終了。あとは送り出すだけ。そんなわけで、

やはり気が抜けて、ぼーっとしてしまう。気を取り直して、昨日轆轤挽きした一輪挿しを削って、

アクセサリーを試作。頭で考えるのと実際やってみるのとではやはりかなり違って、思うようには

できないことがわかる。それに、パーツをどうつけるのかがわからない。どんなパーツを使うかも、

これから勉強してゆかないと。楽しみが増えて、これはこれで、挑戦のしがいがあるというもの。

       1.5

一応、今日から仕事始めということで、作業場のオブジェを離れに運び、土を練り、ろくろを挽く。

それと、寒さに備えて、薪ストーブを設置する。海運会社からも連絡が来て、発送のめどがつく。

器の注文も入って、今年も動き出した感じになる。遅まきながら、今年の目標を立てる。まずは

オブジェ作りから。今年は百体物を作りたい。物とはぶつであって仏でもあり人物像でもあり、

建物でもあり、要するに土で作る器以外のモノという意味。三が日に仕上げたオブジェを数えたら

50個あったから、あと50個。一ヶ月5個として、週一個強作れば良いので、決して無理な目標では

ないと思う。それと、小さな手のひらに乗るような小物作りを試作したい。こちらは、これから

だんだん体が動かなくなった時に備えて。何しろ、自由業の身は、年金暮らしというわけにはゆかない。

生涯現役で頑張らないと。だから、ゆくゆくは小物作りでもして、稼がないと、生きてゆけなくなる。

そして、本職の器作りは、当然ながら、今年も蹴轆轤で頑張るつもり。この歳で、轆轤を蹴り続けて

いる人もあまりいないと思うが、幸いにも、足も腰もなんとか痛めることなくここまで来ることが

できた。健康な体に感謝して、できる限り、やり続けたいと思っている。「無事これ名馬」を

今年の合言葉にしたいと思う。

       1.4

焼き上がった小さなオブジェの仕上げをほぼ終える。出来上がると50個以上あった。我ながら

結構作ったなと思う。娘がやってきて、これどうするのと聞かれたが、特に予定はないと答える。

いつか、個展みたいなことができると良いのだが、特にどうするということはなく、このまま

埋もれてしまうかもしれない。それでも、ものは残るわけだから、いつか誰かの目に止まることも

なきにしもあらずと、思っている。人は死んでも、モノは残るというわけだから。さあ、明日から、

また器を作り、早朝には仏像づくりでも始めようと思っている。

       1.3

風がビュービューふいて、寒さが増した。工房には薪ストーブをまだ出してないので、急遽、

灯油のストーブで寒さをしのぐ。今日も、一日オブジェの絵付けと組み立て。もともと、色を

つける予定はなかったが、思いついて、水彩やアクリルで色を乗せる。楽しいけど、結果は

思ったほどよくならない。というよりも、1歩間違えば、おもちゃっぽくなってしまう。それでも、

色々やることは次の制作へのヒントが見つかる可能性はある。明日、一日絵の具で遊んで、ぼちぼち

通常の制作に戻ろうと思う。

       1.2

明けましておめでとうございます。どのようなお正月をお迎えですか。我が家は恒例の初日の出を

いつもの海に見にゆきましたが、あいにく厚い雲が邪魔をして見ることができませんでした。帰り道で、

だいぶ高くなったお日様を拝むことができましたから、それで良いと思いますが。昨夜は、美味しい

お酒が効いてしまって、紅白も格闘技も見ることができず、ひたすら、夢の中でした。ただ、

今朝不意に閃いたのが、そうだ、今年はオブジェだということ。それも、仏像から始めます。少し

抽象的な造形の仏像にしようと、元旦早々土と触れることにしました。朝、娘にそのことを話すと、

父さんのは遊びか仕事かわかんないね、と言われました。息子も、とうさんは仕事が遊びだからと

言います。そのとうりなのです。遊びを仕事にしてしまったのですから。だから、土に触れるのも

遊びだし、筆をとって絵を描くのも遊び、畑も遊びです。朝から、晩まで遊び呆けているのですから、

なんと幸せものでしょうか。遊びをせんとや生まれけむ、なのです。今年一年、遊び倒す覚悟でいます。

       1.1

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