陶芸 屋久島日記

一日、窯に関わる仕事。釉抜き、釉がけと。珍しく、体験の予約も入って、午後にはろくろ体験

二人。看板用にタイルも、なんとか素焼きまでは終わる。次はいよいよ本焼きになる。昨日、

県道の脇で穴掘りをしていたら、結構人に見られていたらしく、カミさんが買い物に出たら、

いろいろ聞かれたという。なんで、立て直しているのかとか、誰の土地かなどと。人の目とは

すごいもの。どこで誰が見ているか、わからないと思う。

       11.30

朝から、素焼きの窯づめ。そのあと、看板たての準備。バラスを袋に入れたり、グリ石を拾って

きたり、ボルトに針金、その他諸々材料集め。気がついたらもう、昼になっていた。昼の休憩中に

電話がなって、ホテルに急に納品にゆくことに。戻ってくるともう、三時前。それから、看板を

立てにゆく。ポツポツ雨を気にしながら。なんとか、小さい方を立て終えて。大きい方は、柱だけ

先に立てて、あとは文字板タイルが焼きあがってから。そうこうするうちに、体験作品を取りに

来た人が、県道を通りかかる。慌てて、家に戻って、作品を手渡す。剣道に戻って、古い看板を一つ、

取り壊す。結構しっかりと立っていて、壊すとなるとなかなか簡単にはゆかない。チェンソーで

柱をぶった切っていたら、誤って、コンクリに刃が当たってしまう。目当てし直さなければならなく

なった。そのうち、雨は本降りにと変わる。あー、今日も一日、よく走り回った。今夜も、おそらく

バタンキューとなりそうな気がします。

       11.29

暖かい、ていうか暑すぎる。一枚づつ脱いで、夏のような格好になっても汗が出てくる。

もう直ぐ十二月だというのに。昨日、下地を塗った、看板用の板に、マスキングテープを貼って、

文字を切り抜く。細かい作業なので、午後までかかって、夕方にやっとスプレー掛けまで終える。

これまでは筆で塗っていたのだが、スプレーの方が簡単かなと思って。ところが思いの外、難しい

ことがわかった。カンナ掛けを省いて、サンダーでごまかしたら、製材のノコ目が残ってしまい

マスキングテープがしっかりと貼ることができない。スプレーをかけると、そこが浮き上がって、

隙間から塗料が入り込んで、はがすと輪郭線が、汚れてしまった。昨日塗った下地がまだ完全に

乾ききっていなかったのも、テープが密着しなかった原因の一つかもしれないが。何事も経験が

必要ということ。まっ、致し方ないか、看板屋さんではないのだから。小さな看板だから、まめに

作り直せば良いと考えよう。

       11.18

昨日の続きで看板の材料のカンナがけ。昼前に、診療所でインフルエンザの予防接種。午後は、

ペンキ塗り。夕方、ホームセンターに足りない材料を買いにゆく。バタバタしていて、本職は

手付かず。それでも、作りかけの作品をだいぶ乾かすことができた。もう少し、風が吹いて

くれたら、綺麗に乾いてくれたのだろうが。あまり欲張っても、仕方ないので、いろいろ進んで

くれたことに感謝しよう。

      11.27

昼までは、コーヒーカップの把手つけ。午後になって、看板を立てさせてもらう予定の場所の

下見にゆく。東からと西からとそれぞれ別の場所に立てようと、まずは個人の家の塀沿いの

小さい看板の方から。昨日お願いして、許可はもらったけれど、どうやって立てたら良いのか、

一晩考えていた。まずは地盤の状態、道からちゃんと見えるか、どうやったら、台風でも飛ばされ

ないように立てられるか。問題が次々と出てくる。塀にくくりつけるのが手っ取り早いのだけど、

人の家だから遠慮することにして、ところが地面は大きな石だらけで、掘ることが難しい。基礎に

なる石を置くにしても、どうやって固定するか。セメントで地面にしっかりと止めることができるか、

わからないことばかり。そのうち、雨が降ってきたので、日を改めることにする。工房に戻って

必要な看板用の木を、切りそろえて、ざっとサンダーで表面をならして、文字を書き込む板には

面取りを施す。久しぶりにひっっぱり出した、大きな丸ノコの調子が悪く、なんとかごまかしながら、

やっつけ仕事で準備を終える。塗料の下塗りまでやりたかったが、雨でもあるし、時間も押して

いたので、作業はここまで。木工仕事もやりだせば面白いが、なんせ手順が悪く、寸法の測り

間違いや、まっすぐにきれなかったりと、悪戦苦闘した。もう少し要領よかったはずなのに、

やってないと忘れるものですねえ。年が明けたら、カーポートの屋根作りも待っている。

       11.26

看板用の、タイルを作り、つぎは木を準備しなければならない。その前に、立てる場所の了解を

地主さんにお願いしにゆく。ところが、その土地は、すでに人の土地になっているということを知り、

急遽、別の場所に立てさせてもらう事にした。ここのところ、どうしたものかと、頭を痛めていた

問題がなんとか解決できそうで、心底ホッとした。前の看板のような大きなものはやめて、縦長の

細長いものに作り変えようと思う。そうすれば、台風の抵抗も小さくなるだろうし、メンテナンスも

楽そうだし。何より嬉しいのは、大規模に木を切らなくて良くなった事。県道際での伐採は、

通行の邪魔になるし、事故でも起きたら責任問題になる。なんにせよ、心配事が一つなくなった。

あとは、みっともない看板にならないようにしなければと思う。

       11.25

売店の棚卸しと、納品を兼ねて、かみさんと出かける。新しい方の車で。夏に買ってから、

まだほとんど乗ったことがない。初乗りと言って良い車。軽でコンパクトだが、最新のアシスト

機能がついている。ちょっと、センターラインをはみ出たり、路肩の線を踏んだだけで、警報音が

なる。それと、スピード表示がデジタルだから、絶えず数字の変化で目がチカチカする。一度は

後ろのドアが半ドアで走り出したら、画面に図が現れて、後ろのドアが開いていることを知らせて

くれた。走り終わると、点数が表示されて、50点だとか。つまり、下手くそという意味らしい。

至れり尽くせりなところは便利なような、余計なお世話のような。何れにしても、慣れるまでには

しばらく時間がかかりそうです。

       11.24

朝から、青空が広がる。けれども、風が強い。今日は、修学旅行の生徒たちの、ロクロ体験の日。

昨日は雨の中、山に登ったという。今日は、3つの班に分かれて、それぞれ、シーカヤックと

シュノーケリングと物作りに挑戦ということで、我が工房も選ばれた。ここへ来る前に、夜光貝で

アクセサリー作りを終えて、昼食をとりながらろくろに向かうことに。女の子ばかり、11人、

半々に分かれてもらって、作業開始。それぞれ、カップと、お皿、中には花瓶に挑戦する子も。

後半のグループには、先生も飛び入りで加わって、楽しそうに作っていた。スケジュールが

決まっているので、きめられた時間内に、完成させてもらうのは、なかなか難しい。どうしても、

厚めの器になってしまうから、この後の仕上げも大変。手を入れすぎては作者の個性がなく

なってしまうし、かといって重すぎても使う喜びが半減してしまう。その辺りの加減が、

最も難しいところ。なんとか、素敵な器に仕上げて、良い思い出をいつまでも、残してもらいたい

ところ。キラキラした顔で工房を後にしてくれたのが、何よりで、頑張った甲斐があった。

       11.23

昨夜は次男の攻撃が激しかった。寒くなると、こちらの布団に入り込んでくるのだが、足を入れて

きた後、お腹を締め上げたり、かかとでゴンゴンやられたり、それが延々一晩中続いた。診療所から、

緩やかに効くという、新しい薬をもらってきて、確かに、前の薬のようにいびきをかいてぐうぐう

寝てしまうというのではなく、さりとて、薬が入ってない時のように、ものすごい勢いで床を

かかとで蹴るというのでもない。少し、おとなし目に、しかしほぼ一晩中、責めてきた。これは

これで辛いもので、朝まで半分覚醒した状態で、散歩の時間には頭がぼーっとしていた。

弱い雨が降っていたから、散歩は取りやめて、もちろん畑も諦めて、昨日挽いたカップを削って、

午前中は把手付け、午後はコーヒーカップの轆轤挽き。よくまあ、昼寝なしで持ったものだと思う。

       11.22

寒くなって、ようやく虫の声があまり聞こえなくなってきた。畑で、大きなバッタが、全く動けなく

なっているのを見た。コオロギも姿を消したらしい。そこで、種子袋に残っていた、大根や青梗菜を

全て蒔いてしまった。蒔いても蒔いても食べられてしまったが、最後の挑戦として。二十日大根の

間引きもする。ひと畝抜いたら、400グラムほどになったので、洗って塩に漬けてみた。昼に

食べると、シャキッとして、ほんのりピリッとして、良い感じの浅漬けになっていた。こういうのは、

自分で野菜を育ててないと、口にすることはできない。熱々の白いご飯に乗せると、幸せを感じた。

       11.21

今日は、かなりハードに動きました。朝は、ハウスの横の木をチェンソーで切って、運送屋さんが、

持ってきてくれた、材料を運び込んで、窯出しして、仕上げて、荷造り。それに看板用の

文字板に化粧を塗ってと、たっぷり2日ぶんぐらい、働いた気がします。それに、急に冷え込んで

きて、次男の髪を切って風呂に入れる時には、ストーブとエアコンの暖房が必要になりました。

かみさんに言わせると、これからは寝起きにいきなり外に出るのは危険とのこと。血管が切れる

恐れがあると言うのです。畑で体を動かしていると汗が滲んできますが、ちょっと休むと急に

寒さを感じるような、そんな季節です。今朝はヤスデも多くて工房に周りだけで50匹はやっつけ

ましたが、家の方はもっと多くて、二百五十匹以上いたとのことです。夜中の寒い中の見回りは

体にこたえますから、風邪をひかないようにしっかり厚着をしないといけませんね。

       11.20

鹿児島県の屋久島事務所から、命じられた看板を移動する話。二ヶ月待ってほしいと頼んで

受け入れてもらったのだけど、あれから一ヶ月ほどが経ってしまった。そろそろ手をつけないと、

間に合わなくなる。いくら、頭にきたとはいえ、約束は約束だから。とりあえず、これまで

横型だったものを立てにすることにした。それだけで、スペースがだいぶ節約できるので、

それほど引っ込めなくてもよくなるから。それと、せっかく焼き物屋なのだから、なんとか

陶芸の技を使えないか。今年、娘の結婚式に頼まれて作った、ウェルカムプレートをヒントに、

レリーフにして、文字を浮き立たせることを考えた。それに、焼き物は耐候性は高いから、木で

作るより長持ちしそうだし。ただ、衝撃には弱いからある程度の厚みが必要だと思う。考えたのが、

木で作ったボードに陶製の文字を括り付けるというもの。今日は、そのアイデアを形にしてみた。

スラブローラーでたたらに伸ばしたところに、粘土の紐で文字を貼り付ける。かなり大きなものに

なるから、ひと文字ずつ別に作る。焼き物って、2割ほど小さくなるからその辺も計算しながら、

なんとか形にする。こういう仕事は、乾き加減が、最も大切なポイントなので、かなりのスピード

での作業になった。あとはできるだけゆっくり乾燥させて、剥がれないように気をつけないと。

次は、木工仕事が待っている。材木は薪窯のところにストックしてあった、ありあわせで

なんとか間に合わせたい。材木を切ってカンナをかけるのが次の仕事。次の週末は木工デイに

なりそうだ。

       11.19

昨日からの雨は、ずっと降り続いて、午前中は音を立てての土砂降り。畑は水浸しで、あっちこっち

に水たまりができている。今のうちに、溝を掘って、排水の工夫をしなければ、野菜が上手く

育たないかもしれない。あれほど降った雨も、午後には青空へと変わり、暑いほどの気温になった。

今日は、ガス窯の小屋で、長いこと使わないでカラカラになってしまった、土を運び出して、

バケツで戻す作業をした。もう、何十年も前の土もあって、柔らかくしたら練り直して、

オブジェを作るつもり。45年もやっていると、まだまだカラカラになった土が棚にはいっぱい

置いてある。鉄分が強すぎたり、砂が多かったりと色々だから、器には使えなくても、オブジェや

植木鉢なら十分。これも、一種の断捨離というか、身の回りの始末をつけるというか、少しずつでも、

整理してゆかないと、先々、体が動かなくなってからでは、誰かに迷惑をかけることになるから。

       11.18

昨日の朝の散歩で、公園を一周して県道に戻って来ると、道の真ん中に何かがある。よく見ると

タヌキの死骸だった。車に轢かれたらしい。前にも同じようなところでタヌキの交通事故をみたが、

どうも、危険地帯らしい。県道に向かって4本の道が交差しているところなのだ。今朝通りかかると、

きれいに無くなっていたから、誰かが片付けてくれたようだ。昨日はちょうど天皇陛下がお見えに

なった日だし、各集落からの出迎えの人たちが大勢通ったのだから、当然のことだと思うが。

それにしてもタヌキはかなり増えているのだろう。近頃、鹿はあまり見かけなくなったが、畑には

明らかにそれらしい足跡がついている。かみさんは、ハートの形をしているからすぐわかるという。

モグラも、たくさんいるようで、畑にはボコボコとあちらこちらに穴が空いている。猿は、全く

見かけなくなったが。そういえば、ビニールハウスを諦めたのも、猿による被害が理由の一つだった。

あの頃は本当に多くて、いつもパチンコを仕事場に置いていて、声がすると走って玉を飛ばした

ものだった。奴らは、頭が良くて、微妙に届かない距離を保って、こちらをバカにしたように

威嚇してきたものだった。あの頃、タヌキの話など全くなかったから、この島で繁殖したのは

それ以後ということになる。ヤスデだって、全く見かけなかったのに、どこからか、島に入り

込んで、繁殖してしまった。今も、毎朝、暗い時間に電灯で照らしながらのヤスデ退治が

続いている。ちなみに今朝は三十匹ぐらいだったか。多い日で5、六十匹、こんな日々が

年が明けて、我が誕生日ごろまで続くことになる。

       11.17

昨日から、朝の畑仕事の場所を、ビニールハウスの方へ移動した。ビニールハウスといっても、

今はビニールは張ってなく、フレームだけ。春に、一度綺麗に草を払ったが、半年余りの間に

草に覆われている。それに、根元から切った灌木から枝が伸びて背丈よりも高くなっている。

このハウス、最初に建てた時、浅はかな知恵で、少しでも広くしたいと、普通よりも間口を

広くした。すると、アーチの角度が浅くなって、大雨が降ると、屋根に水が溜まって、重さで

池のようになって、ビニールが伸びて、ひどいときには破れて、水浸しなんてことになった。

そこで、ビニールの下に、防風ネットを張って、雨水の重さに耐える工夫をしたが、それも、

台風で吹き飛ばされて、今も木の枝に引っかかったまま、放置している状態。なかなか、難敵で、

どうやったら復活できるか、頭を悩ませている。まあ、その前にもう一度、綺麗に草を払って

、木を切って、根っこを取り除かないと、話にならない。なんとか、本格的な、寒さがやって

来る前に、そこまで出来たら、というのが、大目標なのだが。それから、どのように、ビニールを

張るか、毎日、夜になると、布団の中で、あれこれ、思案を巡らせているのだが。なんにせよ、

時間も、お金も、かかりそうで、気合を入れないと、また、途中で投げ出すことになりそう

なのです。

       11.16

昨日の晩は、食卓に芋煮が出た。リクエストに答えてくれて。山形の方ではこの時期、人が

集まって、芋煮会というのが催されるという。サトイモに牛肉、こんにゃく、きのこ、ネギなどを

入れて大鍋でグツグツ煮込んでいる光景がテレビなどで紹介される。美味しそうで一度食べて

みたいと思っていた。それを、うちの畑で採れた芋を使って作って欲しいと頼んで、それに答えて

くれた。味は、すき焼きを薄めた感じの具沢山の汁といった感じ。熱燗を飲みながら、二杯お代わり

したらお腹いっぱい。今日の昼は、その残りにカレールーを加えて、カレーライスにして食べた。

これが絶品。懐かしい、お蕎麦やさんのカレーに、コクを加えた感じの味。熱々の蕎麦にかけても

美味しそうが冷え込んできた体を芯から温めてくれる。大きめに切った里芋で舌がやけどしそうに

なって、思わずハフハフしてしまう。バリエーションは色々あるらしく、今度は味噌味で作って

欲しいと思ったりしている。

       11.15

昨夜からの雨が、朝も残っている。ぐい呑を削り、素焼きの窯づめ。午後は、昨日の続きで

ぐい呑を挽く。工房の中の温度が二十度を割ったので、そろそろ大丈夫かなと、入り口と裏口に

下げていた防虫暖簾を外す。網戸も取り外して屋根裏に片付ける。しかし、甘かった。夕方、

蚊が襲ってきたのだ。それも、なかなかすばしっこくて、手でパチンとやっつけようとしても、

逃げられてしまう。ちょっと早まったと思ったが後の祭り。11月いっぱいは、出てくることを

忘れていた。ここにきて、体験のお客さんも、工房へ訪れるお客さんも、すっかり減ってきた。

それに、天皇陛下の訪島もあって、街は厳重警戒が敷かれている。当分は人も来ないし、下手に

出歩かない方が無難な気がする。道路には、制服を着た人が溢れているし、道は見たことがないほど、

きれいに整備されている。そうそう、この間、園芸店に行ったら、役場の人がいて、どこかに

飾る花の相談をしていた。聞くともなく、耳に入ってきた話だが、販売用の花を大量に借りて

いって、終わったらすぐに返すという段取りを話し合っていた。あの、使い残しを、また売るのか

と思うと、ちょっと考えてしまったが。本当に、島はピリピリしているわけ。粗相のないよう、

お迎えするのに必死なのだと思う。

       11.14

土練機を回したあと、白化粧と黒化粧を作る。これが午前中の作業。午後は、ぐい呑を挽く。

今日の予定は、コーヒーカップだったが、気がつくとぐい呑の在庫が切れかかっている。寒く

なってくると、やはり、暖かいお酒が恋しくなる。隣で、息子が焼酎カップを作っているので、

こちらは予定を変更してぐい呑作り。ぐい呑は、小さいけれど、意外と時間がかかる。一つ一つ

雰囲気を変え、ゆったりとした雰囲気に仕上げるために、ろくろもゆっくりと回す。値段も、

小さくても湯呑よりも高価になってしまう。昔から、業界の慣わしでもあるが。それでも、

海外からのお客さんの中には、納得してくれない人もいる。前に、こっちが小さいのに

どうしてこの値段だと、詰問されたことがあった。説明しても、理解してもらえず、結局、

他のものを買っていった。確かに気持ちはわかるのだが。しかし、絵の価格でも、小さくても

書き込んだ絵の方が、大きな絵よりも高いこともある。こればかりは価値観の問題なので、

各自が選択するしか、どうしようもないことだけど。

       11.13

今朝、鍬で4つの畝を立てて、ケイ酸カルシウムを撒いて、液肥をかける。これは、永田農法の

やり方。そこにパクチーの種をまく。前に撒いたのとは違うタイプ。パクチーといっても、

いろいろな種類があることを知り、東南アジアで食べられている種類のをいくつか手に

入れたので。午前中に園芸店に走って、花や野菜の苗を買ってくる。花は、工房の前に植えるため。

ビオラの3鉢100円というお買い得品を見つけて、ラッキーだった。それと、切り花用の花を

畑に植えてみた。あとは、イチゴの苗も。こちらは、うまく育つか、試してみようと、早速

今朝準備した畝に植え付けた。そうそう、ジャガイモも少し買ってみた。聞くと、芽が出て

しまったのをタネ用として売っているというので。こちらも、まともに育てられるか、あくまでも

実験してみようというもの。今回、開墾した畑も、だいぶ埋まってきて、空いたスペースも

わずかになった。これからは、ハウスの周りへと移ってゆこうと思う。仕事は、昨日のソーサーの

削り。明日はカップを挽こうと思う。

       11.12

朝には上がっていたが、昨夜降った雨で地面は濡れている。畑は諦めて、工房に下りる。何を

しようか少し考えて、昨日届いた器のことを思い出す。メールが入って、我が工房のお茶碗が

欠けてしまったので修理してもらえないかというもの。誰かからの頂戴もので、夫婦で愛用していたが

誤って欠いてしまったらしい。どうやってそうなったのか、二つとも口が欠けている。しかも

破片も残ってないとのこと。つまり、その部分を何かで盛らなければならない。修理は引き受ける

ことにしたが、上手くできるかどうか、やってみるしかない。今日はもってこいの日。まず、

盛り上げるための粉末作りから。捨て場から、適当な器を探して、特大の乳鉢で砕いた後、

すりつぶして、ふるいにかける。欠けたところにテープを貼って、瞬間接着剤を垂らし、粉末を

ふりかける。固まったら、また同じことを、何度も繰り返して、必要な形よりも大きめに盛り

上げる、それをグラインダーで削って全体の成形をする。最後に、より細かい粉末でコーティング

して、耐水ペーパーで磨く。仕上げに、アクリル系の絵の具で色を合わせて、乾いたら

グラスメディウムで光沢を出す。朝の3時間ほどで、二つの器の修復を終えた。ちょっと口の

ラインが完全ではないが、ちょっと見たところでは、それほど違和感はないだろう。専門の

修復家ではないから、これが精一杯だと思う。プロではないから、お金はいただけない。ただ、

器を使い続けたいという、お客さんの気持ちにできるだけ応えたいということで引き受けて

いるわけ。早速送り返すための荷造りをして、あとは、昨日の続き、ソーサー作りをする。

昨日から、やっと、イメージしたような、フラットな皿が挽けるようになってきた。この前

ろくろで挽いた時は、乾燥するにつれて立ち上がってしまった。それは鉢の形から寝かせて

倒してお皿に挽くたため、粘土は前の形に戻ろうとして、立ち上がってしまったらしい。つまり、

形状を記憶して、前の形へ戻ってしまうということ。そこで、作り方を変えて、一気に、横の

方向へ挽いて作る。今の所、立ち上がってないから、上手くゆきそうな気がする。それにしても、

陶芸とは奥が深いなと改めて思う。

        11.11

かみさんは髪を切りに、息子は犬を獣医さんに連れてゆき、工房は一人。午前中に、イギリス人の

ガイドさんがお客さんを連れてきて、入れ違いで、今度は歩きでドイツ人のカップルがやってきた。

中年の二人、入り口で大きな声で呼び出され、いきなり キャン ユー スピーク イングリッシュと

きた。次に温泉のことを聞いてきた。今は入れるかと、そこで、朝と夕方だと教える。その代わり、

隣の集落にいつでも入れる温泉があるよと、教えると、そんなこと知ってるわよ、という顔をされた。

なかなか、個性的な人たちで、焼き物には見向きもしない。グッバイと出て行った後、帰ったのかと

思っていたら、外のベンチで長いこと、おしゃべりしていた。息子が帰ってきて、聞いた話では、

下のバス停のところで、外国人の女性の二人連れが、ヒッチハイクしようと、手を挙げていた

とのこと。近くのユースホステルに泊まっているのは外国人ばかりだというし。この時期、

この島を訪れているのは、海外からのお客さんばかりなのだろうか。お客さんばかりでなく、

移住してくる、外国人も実に多い気がする。近所に引っ越してきた、ニュージーランドからの

人たちを、昨日、かみさんが見かけたそうだが、家の前に大きな石を運んできて、一生懸命

庭石として配置していたという。それぞれが、それぞれのライフスタイルで、島暮らしを

楽しんでいるのを肌で感じる。それにしても、この島にやってきた45年前とは、ずいぶん

様変わりしたなあと、思うのです。

       11.10

雨が上がって、畑に下りたけど、土はまだべちょべちょ。かまわずスコップで穴を掘って、

ゆずの苗とライムの苗を合わせて3本植え付ける。頂き物の、柚子胡椒があまりに美味しくて、

どうしても自分で育てた柚子で作ってみたいと思ったから。果たして、実がなる頃、どうなって

いるのか不安になりつつ。すぐ横の畝を見ると、出ていた青梗菜の新芽がほとんど食べられている。

タネを蒔きなおしたのに、またやられてしまった。コオロギの仕業に間違いない。何かやっつける

方法はないものかと考えていたら、前にストチュウを作っておいたのを思い出した。四月に仕込んで

いて。そのままになっていた。ストチュウは木酢液に焼酎と酢、それとにんにく、唐辛子などを

加えて、寝かしたもの。ものすごい臭いと、刺激で虫を退治しようという、自然農薬のようなもの。

網でこしたのを、水で薄めてジョウロで撒いてみた。すると、おびただしい数のコウロギたちが

ピョンピョンと畝から飛び出して逃げてゆく。あんなにたくさんいたのかと、呆れるほど。何しろ、

今年はいつまでも暑い。午後の気温も、工房の温度計は二十八度。畑に出ると、汗が出るほどの

暑さだから、虫たちもまだまだ活発なわけ。効き目がありそうなことはわかったけれど、あとは

どれほど持続するものか、全くの手探りながら、様子を見てゆこうと思う。仕事の方は昨日頑張り

すぎて、今日は一日削りに追われる。同じ姿勢を続けたので腰が痛くなる。

       11.9

雨です。しっかり降ってくれました。畑に降りることはできないので、工房でがっつり土仕事を

しました。片口を組み立てて、大皿を削り、コーヒーカップに把手をつけて、ソーサーを挽き

ました。こんなに仕事をしたのは、久しぶりです。まだまだやれると自信が湧いてきました。

人からは、自己満足とか独りよがりと言われそうですが。良いのです。他人からなんと思われようと。

大事なのは、前に向かって進んでゆくこと、一歩ずつでも。

       11.8

昨日は、お客さんが全くなく、こういう季節になったと息子が言ってた。それが今日は、朝から

次々と来てくれて、香港からのグループまで寄ってくれた。この落差はなんだろうと息子が呟く。

天気も、昨日と違って今にも降り出しそうな灰色の空で、気配を感じて、10時の休憩時間に

畑に走って、青梗菜のタネを蒔く。一度は綺麗に発芽したのだが、ほとんどを虫に食べられて

しまった。手を出すとコオロギらしいのがピョンピョン飛び跳ねている。今年は特に暖かいから、

虫たちも元気で、蒔いても蒔いても餌食にされる。なんだか、どちらが諦めるか我慢比べに

なっている。今の畑への執着は、我ながら呆れてしまう。この根気があるなら、もっと早く畑を

始めたらよかったのにと思うのだけれど。

       11.7

ここのところ、バタバタと作品が旅立ち、工房はやっと、落ち着きが戻ってきた。今朝、

集荷に来てくれた、郵便局の配送係、この地域の担当の女性だが、入り口のノブドウの実をみて、

ガイブの実が熟してますねと話しかけて来た。昔はよく食べたものだとも。彼女の住んでいる

ところはまだ熟してないという。ここは暖かいからと。そこで一粒、口にしてみたが、あまり

味がなく、苦いような渋いような妙な口触り。ネット情報では、虫が入っているから食べられないと

書かれている。すると、近頃はお茶にするのが流行っているという。葉と実を乾燥させると

お茶がになるらしい。いくらでも、採れるので、ちょっと試してみようかと思う。

       11.6

今朝も、暗いうちに目が覚めて、布団を抜け出し、畑に降りる。軽トラのライトで照らして、

開墾をする。大島草の株を掘りとるための。春以来のこと。先日手に入れた、レモンの苗を

どこに植えるか考えていたが、畑のはじを綺麗にすればかなりのスペースを確保できると思って。

かなり難儀するのを覚悟して取りかかったが、思ったより楽に掘ることができた。春に重油を

かけていたので根がだいぶ腐っていて、半分堆肥化していたから。とりあえずレモンの苗木、

2本分を開いて耕運機で耕して、植え付けた。もう少し広げれば、まだ、何本か植えられそう。

何を植えるかまた、楽しみが出てきた。

       11.5

昨日、早く寝すぎたせいか、1時ごろに目が覚めて、眠れそうもないので、3時には工房で、

荷造りと宛名書きをする。今回は体験の作品が貯まっていたので、20個近い数。宛名を書くだけ

でも、かなりの時間がかかる。昨日は一晩雨だっったが、朝にはどうやら上がった模様。今朝も、

菜っ葉類のたねを空いてる畝に蒔く。雨上がりの朝にたねを蒔くのが間違いなのか、わからない

のだが、タネはたくさんあるのでので、とりあえずという気持ちで。午後は、二ヶ月頑張った仕事を

荷造りを終える。前から気になっていた工房の裏の、サース(シロノセンダングサ)を抜く。

草払い機で刈ってもあっという間に繁茂してしまうから、手で根っこから引き抜くしか方法が

ないから。午後は青空が広がり、まさに小春日和に。

       11.4

曇り空から、ポツリ、降りそうな降り切らなさそうな、微妙な空模様。ダメ元で、ほうれん草や

春菊のタネを蒔く。カミさんと、朝から買い物。途中、おみやげ屋さんによると、前のカフェが

営業中。以前、工房に来てくれたのを思い出して、お茶をすることに。モーニングサービス中で、

茶粥のいただく。世間話ですっかり話し込み、店を出てしばらく走ると、カミさんが先日訪ねて

くれた友人夫婦が歩いているのを発見。車を止めて、立話。お茶でも飲もうと、またさっきの店へと

逆戻り。そういえば、もう二度と会うこともないかもとジーンとしながら別れたことを思い出して、

気恥ずかしくなる。人の出会いとか別れなんて、一寸先のことは誰にもわからないもので、また

どこかでひょっこりなんていかにもありそうなこと。縁とは不思議なものだと思う。帰りに、

最近できたホッカホッカ弁当屋で晩御飯を買って帰る。外はしっかり雨空に変わっていた。

明日の天気は晴れるかな。

       11.3

朝晩、だいぶ冷え込むようになってきた。昨夜は、寝ていたらなんか脚が重いなと思ったら、

犬が乗っていた。それまで、カミさんの足元に寝ていたのだが。そのうち、今度は横の方から

脚が伸びてきた。次男の足だった。次男は寒くなると、必ずこちらへすり寄ってくる。カミさん

よりも体温が高いのを知っているらしい。そんなことで季節の移り変わりを知ることになる。

今朝は青梗菜のタネを畑に蒔いた。それからミニ人参も。前に蒔いたのは暑すぎてほとんど

虫に食べられたから、これぐらい冷えてくれば、様子も違ってくるかもしれない。今年はもう、

台風が来ないことを祈りつつ。

       11.2

今日から十一月です。あと二ヶ月、心して過ごさねば、あっという間に過ぎてしまいそうです。

30数年ぶりの友が訪ねてくれました。一目見て、若い、変わらないと思いました。向こうの、

こちらを見ての感想はというと、年取った、わからない、はショックでしたが。普通、思って

いても、なかなかそこまでは口にしないものですが。まあ、気を取り直して、話し始めれば、

時間をあっという間に飛び越えて、懐かしい、会話が弾みました。友あり、遠方より来る、

また愉しからずや、ですね。ところで、二人とも、何故か完全に記憶が飛んでしまっている部分が

あって、面白いと思いました。人それぞれ、捨てる記憶、残す記憶を、無意識に選択しているので

しょうか。帰り際に、また会えるかどうかわからないけどと言いながら、固く握手を交わしました。

たった、30分の邂逅となりました。

       11.1

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