陶芸 屋久島日記

イッツ ア バッドデイ。思わず口から出てしまいました。お客さんに。オーストラリアからの

カップルでした。女性の方が、乾燥中のカップを誤って壊して、ソーリーといった言葉に反応して

しまったのです。始まりは早朝の出来事でした。何の拍子か、ガチャンといって、青釉の綺麗に

焼きあがった大皿が突然ガチャンと割れたのです。ポルターガイストかと思う出来事に、一瞬

唖然としてしまいました。よく見ると、壁掛けのレリーフが転がっていました。柱にかけて

あったものです。60センチも吹っ飛んでまさに命中していました。おそらく、引っ掛けて

あった金具からずれていて、わずかなショックで外れて。下にかけてあった、道具をクッションに

して器にガッチャンコしたようです。それにしてもこんなことが。おまけに、売約済みの器でした。

もう一つ、同じぐらいのお皿が釉薬掛けを終えた状態でありますから、慌てて焼こうと思うの

ですが。その事件のことを説明した上で、さっきの言葉が飛び出したというわけです。気にしてか、

たくさん買ってもらって、かえって恐縮してしまいましたが。これから、天気は下り坂、台風並みの

風が吹くという予想が出ています。入り口のオブジェを片付けて、ついでに修理することにしました。

先日粉々に壊れたのも一緒に。破片を接着して、足りないところは、別の素材で修復して、元どおり

とはゆきませんが、ほぼわからない程度には復元できたと思います。最後に、アクリルで白く塗ると、

見違えるように綺麗になりました。天気が回復したら、取り付けようと思っています。一日仕事に

なってしまいましたが。

       2.28

器とオブジェと野菜。今頭の中にあるのはこの三つのこと。器はもちろん日々の制作だから当然

として、オブジェは朝やっている猫の造形。飛ぶ猫を3体作って、次に歩き猫を作った。さて

どのような展開をしてゆくか。そして、野菜。こちらは、トマトを3種類、種をまいて今は本葉が

出てくるところ。プリンチペボルゲーゼとサンマルツァーノはイタリアの加熱用トマトでもう一つが

栗原トマトという昭和の懐かしいトマトらしい。そのほかナスと唐辛子も芽を出し始めている。

これからだんだんピーマンやメロンもまいてみようと思う。最初のサンマルツァーノの時は本当に

ドキドキして興奮してしまったが、あとはだいぶ冷静に観察できるようになってきた。これだけでも、

頭の中はいっぱいなのに、なぜか、ここにきて絵を描きたいという欲望が湧き上がってきた。

とても、体が追っつかないとはわかっているが。どうして、こうなのだろう。春が近づいて、

脳が活性化してきたということなのだろうか。

       2.27

うちの畑で、パクチーを作り始めたのが、去年の夏頃から。ほぼ、絶やさず作り続けている。

今も3種類の違った種類が育っている。最初の頃は、あまり好まなかったカミさんが、近頃は

すっかりハマって、何にでも添えるようになった。先日は湯豆腐の薬味で出てきたときは驚いたが。

やはり、西洋風の肉料理が一番合うと思う。それと、アジアンな料理。今日の昼はベトナムの麺、

フォーが出てきた。もちろん山盛りのパクチーが薬味用に別の鉢に入って。お好みでのせるように。

手でちぎって山のようにかけて、それにタイのナンプラーをたらしてかき混ぜて食べると、

それまでの物足りなかった味が、一気に豊かなものに変わるから不思議。今や、我が家の食卓には

欠かすことのできないものとなってしまった。畑では早めに植え付けたものが1メートル以上に

育って花をつけている。後から植えたのも、そろそろ終わりが近づいている感じ。そろそろ、

次の種を蒔かないといけないかなと思い始めている。

       2.26

昨日、原型を造ったオブジェ、テーマは猫。なぜ猫かというと、それがわからない。

先日の夜、呑んでいて、そうだ、猫作ろう、そして、看板のところに置いて、招き猫に

しようと、口から飛び出していた。猫は、箸置きや招き猫として、散々作ってきた。ほとんど

手のひら大で、釉薬を用いない、焼締だった。仏像も焼締で、少年少女はつや消しの真っ白く

焼き上げてきた。今回造っているのは出来上がりで20センチぐらい、釉薬を用いて、カラフルに

焼いてみようと思う。そして、面白いのができたら、拡大して、実寸大かそれよりもひと回り

大きく造ってみたい。まずは、いろいろなパターンを試してみようと思っている。

       2.25

朝一番で素焼の窯詰。前回粉々になってしまった、手洗いボウルも詰める。それと、同じく、

剥がれてしまったスリップウェアのコーヒーカップも。チェックしながら詰めて行くと、

一つだけ、厚いところがポロリとゆく。特別厚かったから、まあ、致し方ないか。あとは、

あるだけ、どんどん窯に入れる。この段階で、失敗すれば、また1からやり直さなければ

いけないことになる。午後は、久しぶりにオブジェ作りに挑戦。今回は、ろくろでボディーを

挽いてみようとトライ。面白くできたら、拡大して、大きなオブジェにして、庭に置きたいと

思っている。ここにきて、創作意欲が湧き上がってきた。そのためにも、小型のマケットが

大切だと思っている。

       2.24

青空が広がると、急にウキウキして活動的になるから、不思議ですね。今朝の散歩は、ちょっと

出遅れて、懐中電灯が必要ない明るさ。すると、これまで見えなかったいろいろが目に止まって、

なんとも新鮮、やはり、散歩は明るくなってからに限るとカミさんと話し合いました。家庭菜園を

やっているおたくの畑がいつの間にか耕されて、真っ黒ななんでももよく育ちそうな畑になって、

何かのタネを蒔いたらしく、ネットで覆われて、公園の桜が綺麗に咲いていたり、スミレがたくさん

花を咲かせていました。暗い時間には目につかなかったものが楽しませてくれます。夕方、

お客さんからの頼まれ物を届けに、近くのホテルまで走ったのだけれど、菜の花が満開、ジャガイモの

収穫を終えた畑があって、春が来たことを知らせてくれます。最近出てなかったなあと、気がついた

一日なのでした。

       2.23

ぐずついた空模様、それに肌寒い。今年は、いつまでたっても寒い日が多いと、島でおみやげ屋

さんを営むひとが言ってた。三月が近づいて、異動の季節。それに伴う、注文に来てくれた他にも

いくつか、問合わせが入っている。寒いと言いつつ、季節は春の新年度へと確実に進んでいる。

連休の体験の問い合わせもちらほら。2月いっぱい、休みにしていた、体験も再開の準備に

入らなければ。ゆっくりしていたから、少し億劫になっているが、だんだん慣れてゆかねば

いけないのだが。

       2.22

朝から雨。ハウスにゆくと、水が溜まっている。鍬を持ち出して、溝を掘る。外の通路も泥で

埋まっているから、土を掘りあげる。もう、全身泥と汗まみれ。とりあえずだから、晴れたら

もっとしっかりと溝を掘らないといけないようだ。近頃、いつ行っても、一羽のヒヨドリが

入っている。どこから入るのか、自分のテリトリーと思い込んでいるのだろうか。今は何も

植わってないから問題ないが、作物を育てるようになったら、どういうことになるのやら。

そういえば、野菜畑で育てているイチゴの実がだいぶ色づいてきたと楽しみにしていたら、

いつの間にかやられて、かじられたあとだけ残っていた。世間では、タンカンの収穫も終わって、

食べる物が少なくなって、イチゴに目をつけたのだろう。畑仕事には、いろいろな敵が現れる

ものだと思う。

       2.21

雨です。昨夜、ちょっと呑みすぎたようで、ムカムカします。お通夜に行ったりして、気持ちも

暗くなっているのかもしれませんが。地域の男の年上がいなくなってしまいました。あと残って

いるのはほとんど、同世代ばかりです。次はお前らの番だ、と言われているみたいで、気持ちが

暗くなってしまうのかもしれません。それでも、今日一日、淡々とろくろに向かっていたら、

なんとなく、気分も晴れてきたようです。それに、ハウスでの野菜づくりという、挑戦も始まろうと

していますから。昨日は庭木の剪定もしましたし。春が一日ごとに進んできています。

       2.20

ここのところの物事がうまくゆかない感じって、なんなんだろうと思うのだけれど。分析すると、

物忘れがあまりにひどく、朝から晩まで探してばかり。それもほとんど見つからない。だから、

探し物に時間を取られてやりたいことがどんどん遅れてしまう。それにせっかちがひどくなって、

今何かをやってる最中に別のことを考えているから、あっちこっちぶつかったり、余計なものに

蹴つまづいたり。早い話が年寄り病が進んでいるだけなのでしょう。おまけに、昨夜は次男に

襲われて寝不足が加わって、布団も取られて、寒い思いをして、風邪気味。全ての波が低い

ところに落ちてしまって、気分も一緒で、ドヨーンとしています。まあ、これより下がることは

ないと思いますので、あすはテンション上げて、やってゆこうと思うわけです。

       2.19

なんだか、バタバタの一日でした。朝はハウスの耕運機作業。そのあと、野菜と花の種まき。

そのあと、器の修理。数が多いので、なかなか進みませんでした。そんな中、ご近所の方の

訃報の放送。また一人、あちらへ逝ってしまいました。慌ただしくそして寂しい春の一日でした。

       2.18

ポカポカ暖かい一日です。ハウスの中ではワラビが顔を出しています。昨日は、熱が出て

心配だった次男も、どうやら落ち着いたみたいで、ホッとしています。この時期の熱は、

かつての肺炎での入院のことがよぎって、胸が痛みました。まだまだインフルエンザが収まる

気配がない中、油断はできませんが。ろくろで削り作業をしたり、本焼きの窯だしをしたり、

畑の追肥をしたりと、いろいろ忙しく過ごしました。先日蒔いたトマトの種も本葉が出てきて、

落ち着いてきたようなので、第2弾として、違う種類のトマトとナス、唐辛子などの種を

少しずつ、蒔く準備に入りました。前回はまとめて全部蒔いてしまったのですが、今度は

少しずつ小分けして蒔こうと思っています。たくさん蒔いても植えるところもないし、うまく

発芽できない時の播き直しも考えてのことです。暖かくなってくると雑草たちも活発になって、

どこも急に緑が増してきました。早めに除草しておかないと、取り返しがつかないことに

なりそうです。

       2.17

今朝の、散歩の帰りに、ショックなことに気がついた。工房の前を歩いていると何かが変で、

立ち止まって見ると、看板に立てているオブジェがめちゃくちゃになっている。支柱の針金が

折れ曲り、三つが絡み合って、一つは下半身が粉々に割れ落ちていた。白い、オブジェで、楽器を

弾いているドワーフ達という設定で、太鼓にアコーデオン、それにバイオリンだが、最もひどく

破損したのはバイオリンだった。破片を拾い集めたが。どうやっても修復不可能な状態。他のも

帽子が半分に割れたり頭の飾りが折れていたりと、なんとも痛々しい状態。昨日は雨で散歩に

出なかったから気がつかなかったが、それほどの風が吹いたとは、ちょっと信じられない気がする。

もう、何年、工房の入り口でお客さんを迎えてくれていたのだろうか。台風の時は、必ず

避難させていたのだが、よほどの風が吹いたらしい。状態から見て北の方から突風が吹いた

ということなのだろうか。嘆いていても、仕方がないから、また、新しいオブジェを作ろう

とは思うけれど、今は、器づくりが忙しいので、いつのことやら。前に作ったものから、

合いそうなものを探して、とりあえずは、ピンチヒッターに立ってもらおうと思っている。

       2.16

昨日の、ハウス入り口と後ろの巻き上げ機の続き。考えた結果、ハンドルを短く切って、

当たらなくすることにした。ちょうど、巻き上げ機本体のの長さぐらいまで。そのぶん力も

弱くなると思ったが、回りさえすれば良いということにして。まず、取り外したハンドルの

持ち手部分をディスクグラインダーで切り落として、曲げたい部分を少し削り込んで、バーナーで

真っ赤に焼いて、柔らかくなったところを、別のパイプを突っ込んで折り曲げる。文字で書くと

簡単だが、最初は、なかなかうまくゆかず手こずって、息子に手伝いをもらう。二つ目は、だいぶ

要領がわかったので、割とスムーズにできる。なんとか、二つ、できたので、取り付けてみたら、

一つはねじれて曲げてしまったらしく、力がうまく伝わらない。もう一つも、ハンドルの

長さを3文の1に切り詰めたので、とても楽に回るとは言えないが、それでも、邪魔にならずに

なんとか上げ下げできるようになった。夕方から、今度は風が強くなって、どこから入る風か、

新しくつけた窓が、煽られて持ち上げられては反動で壁にぶち当たるようになる。それだけ、

風に反応している証しだが、押さえておかないとビニールが破れそう。明日は紐で抑える工夫を

しようと思う。一つ、前進するとまた次の問題が生じてくる。ハウスで雨、風そして温度を

コントロールするのは容易ではないことがわかってきた。きっと次は虫対策、水はけ、そして

やってくる台風と、想像しただけでも、難問が待っていそう。それでも、多くの人がビニール

ハウスを建て、実際、それで様々な野菜を作っているのだから、それなりのメリットも多いの

だと思うが。昨日のニュースで、鹿児島のある地域で、桃太郎トマトの出荷が始まったという

のをやっていた。2キロ入りで送料込み1900円だという。これは屋久島のタンカンと比べても

かなりの高額。それでも、需要があるということなのだろう。きっと、いろいろな技術を

積み重ねて出荷にたどり着いたに違いないと思うのだが。

       2.15

午前中、半日がかりでハウスの改造をする。ようやく、寒気も遠ざかり、これから春の陽気に

なってくると、急にハウスの温度が上がってくる。この前も、日が照った途端に40度をどんどん

越えて大慌てでサイドの巻き上げをした。しかし、サイドのビニールを開けただけでは、限界が

あることもわかったので、入り口と後ろの壁の上の方を開けることを考えた。それも、簡単に

開け閉めできる工夫を。できるだけお金をかけないで。そこで安い巻き上げ機を買って、取り付ける

ことにした。ビニールを切ったり、抑えるためのレールを付け替えたり、あれこれ考えてなんとか

取り付けまでこぎつけたが、さて巻き上げになると、ハンドルが長すぎてどうしても壁に

当たってしまう。何か方法を考えないと、うまく上げ下げすることが難しい。昨日まで、ずっと

考えてこれなら大丈夫だろうと思ってやってみたのだが、実際に取り付けてみると、やはり

問題が出てきた。これから暖かい日が多くなると、頻繁に開け閉めが必要になる。どうしたものか、

今夜も眠れそうにない。

       2.14

朝からドヨーンと暗い気分。素焼きの窯づめをするため、棚からスリップウェアーのカップを

下ろすと、パラパラと化粧土が剥がれ落ちている。あれ?、と思い、調べてみるとどの器も

バラバラと剥がれている。全てを壊すことに。一緒に作ったソーサーの方は問題ない。原因が

わからず、途方にくれる。幸い、締め切りまでまだ時間があるので、もう一度作り直して、

調べてみようと思うのだが。もう一つ、以前納めた器を持って、お店の人がやってきた。

カフェというか飲み屋というかそういうお店で使っていた皿が欠けたので修理してほしいという。

その数があまりに多すぎる。大部分といっても良いぐらい。食洗機ですかねえ、と訊かれも

答えようがない。どのような食洗機をどんな風に使っているのか、わからないから。物によっては、

欠けたというより明らかに激しくぶつけたと思えるものもある。それをまた、使っていたらしく、

欠けた後からすり減っている感じがする。どう考えても、うちの器の耐久性を超えた使い方と

しか思えない。しかし、使い方が荒いからこうなったとは言えないし、とりあえず、預かって

修理はするつもりだが、おそらくまた同じことになると思う。息子が、もう何年も、同じ

釉薬の茶碗を朝昼晩と使っているが、前に一度手を滑らせて口がかけて修理して以後、問題なく

使い続けているわけで。それに、我が家の食器はほとんどが、自家製だけど、ちょっと

ぶつけてくちがかけたのはあるけれど、あそこまではいってないから、やはり使い方では

ないかなと思う。それでも気持ちはドヨーンとするばかり。これからできる対処法は、

口をできるだけ丸みをつけて厚めに作ることぐらいだろうか。陶器という素材の持つ限界も

あろと思うのだけれど。

       2.13

今日も北西の風が非常に強く寒い一日。船も欠航で、明日も怪しいところ。そうなれば3日

連続となるわけで、スーパーの棚がガラガラになりそう。連休で島に来て、閉じ込められた

人もいるわけで、3時前にもそんなお客さんが立ち寄ってくれた。明らかに、暇つぶしだから、

結構長い間、見てい来ましたが、こちらはお茶の時間がなくなって、いつも以上に仕事に

励むことに。ぐい呑のろくろ作業が、予定よりもたくさんできて、まあ良かったと思います。

昨夜、雨で濡らしてしまった、干し大根も今日の風でかなり乾いてくれました。今夜一晩、

雨がなければと願うのですが。タネから育てている、トマトは小さい本葉が見えて来ました。

この調子で、大きくなってくれれば良いのですが。木曜日あたりから暖かくなるということ

なので、今度はハウスの暑さ対策をどうするか、今頭を悩ませています。

       2.12

三寒四温と言おうか。昨日暖かかったと思うと、また北西の風が吹いて冬に逆戻り。海も荒れて

船欠航。だけど、大根干しにはまだ間に合いそう。そんなわけで、今日も畑から引っこ抜いて、

せっせとスライス。これまでは自製の治具を使って包丁で切っていたが、でかピーラーを使って、

薄く切ることに。これなら、早く乾きそうだから、いたみにくいだろうと思って。工房の前に

種まき用の育苗箱に広げて干す。家族は寒いを連発するが、こっちはこれならうまいこと干せそうと

ほくそ笑む。そうは言いつつ、ここ2、3日、歯が痛くてものが噛みにくくなっている。朝から

薬を飲んでごまかしているが、風邪気味なのは間違いなさそう。家族にうつさないようにしないと。

インフルエンザはまだまだ流行っているようだし。

       2.11

今日も暖かい。外に出るとむわっとするくらいに。もう、春の草や木が新芽を膨らませている。

仕事は、手洗いボウルを仕上げて、豆皿を削る。我が工房でも、最も大きなものから最も小さな

仕事へと、なんと振り幅の大きいこと。午後は、豆皿の轆轤挽き。せっせとアリが働くみたいに、

今はシーズンに備えて、蓄える時期なのです。朝、テレビで大雪で潰されたビニールハウスの

映像が流れていた。野菜が育っているハウスにぐにゃりと折れ曲がったパイプの痛ましいこと。

とても、人ごととは思えない。ここまで来るのに、どれほど手をかけてきたことかと。生活が

かかっているから余計に重たい。ここ、屋久島だって、もうしばらくすると、大雨や台風が

やって来る。その、過酷な条件に果たして我がハウスは耐えられるだろうか。今まで持っていたのは、

ただ単に骨組みだけにしていたからで、初めてビニールを張ったまま、やってゆくつもり。

以前見た、近所の、台風で潰されたハウスが、我が身に起きないなんて保証はないわけだから、

せめてできる備えは怠らないようにしたいと思うのだが。

       2.10

ずいぶん暖かくなった。昼にハウスを覗いたら温度計は31度を表示している。ハウスの外は

どうかなとそちらを見たら同じく31度。トレーをハウスの脇のビニールをめくったところに

置いているのだからそう言うことなのかと思ったが、それにしても高すぎないかな、もしか

したら壊れているのではと、工房の温度計を外に出して見たら、ぐんぐん上がってなんと

35度になっていた。こりゃあ夏だ、それにしても、トマトの苗は大丈夫だろうか、夜になると1

0度を割るのだから。温度差20度以上、まあ、原産地のアンデス山中もそれぐらいの過酷な

条件はあったかもしれないと、勝手に想像を巡らせて、無理やり得心させているところでは

ありますが。

       2.9

一生懸命、真面目に働いているのだけれど、世の中の流れには逆らえないもので、悩みは尽きない

ものです。今、直面しているのが宅配料金についてです。大手宅配業者が次々と値上げしてゆく中、

唯一頑張ってくれていた、ゆうパックもついに春から大幅値上げになるそうです。特別契約と

いうのをしていて、一般よりも優遇を受けていた我が工房も、値上げという通達が来ました。

そこで頭を悩ますのが、陶芸体験の作品の発送です。どう対処したら良いのか、下手をすると、

体験の料金と同じか、それよりも高くなってしまうケースも出て来そうです。そんな値段の

送料をお客さんに要求して良いものか。それに、時間をかけて教えて作品を仕上げて、焼き

上げてと、てまひまかけたものが送料と変わらないとは、情けないやら悲しいやら、一層

やめてしまおうかとまで考えましたが、毎年、楽しみに来てくれるお客さんもおりますし、

これまで、頑張って続けて来たものが、そんなことで終わってしまうのも悔しい気がします。

そうかと言って、急に値上げもしたくないし、一体どうしたものか頭を悩ませています。

流れがそういう方向へと向かっているのですから致し方ないとは思うのですが、陶芸体験は

作って、はいどうぞ、お持ち帰りくださいとはゆかないところが悲しいことです。このような

離島でも、変わらない料金で頑張ってくれている配送業者さんに文句を言う筋合いでは

ないのですが、それにしてもどう対処したものか、未だにめどが立って来ません。

       2.8

天気もだいぶ落ち着いて、トマトの苗も、発芽器の扱いに、ビニールハウスにと、どうやら

あたふたしなくなってきた。何事も、大切なのは経験ということでしょうか。焼き物の仕事も、

カップに絵付けして、前に壊した手洗いボウルを挽き直して、ホテルに頼まれたサンプルのお皿も、

削り終えて、どの仕事も、粛々と進めています。いつもこんな風だと、なんと穏やかに生きて

行けるのでしょうか。実際は、稀にしか来ないのですが。

       2.7

朝、工房に降りて見たら、4時半ごろだったけど、6度だった。ところが発芽器の温度は33度だって。

暑すぎや、と大慌てで、蓋を開けて温度を下げる。明るくなってハウスに持って行ったら10度。

9時に見たら15度。それが昼には39度。むちゃくちゃ上がっとる。せっかく発芽した双葉が黄色く

なっている。もうだめだろうか、どうにも、制御できない。ハウスの中は、日が照るとぐんぐん

上がってあっという間に30度を軽く越えるし、夕方になると10度だって。昨日から、すっかり

ふりまわされている。よりによってこの天気。今朝は雪が積もっっていたし、特にハウスの

ビニールの脇は吹き溜まりになって、白く積もっていた。せっかく芽が出た苗、全部だめに

なってしまったら、もう一度、種を買い直して、また種まきから始めることになりそう。

ビニールハウスって、こんなに大変だったのか。頭が痛くなる。

       2.6

昨日挽いた大皿、大皿といっても焼き上がり30センチぐらいだから中皿といったほうが正しいの

かもしれないが、ホテルから相談されてのサンプルとして作っている。一度、焼き上げて見て

もらったのだが、こういうのも見て見たいというので再度作り始めた。今回はフラットで、

プレーンなお皿で、これがなかなか厄介。平たく作っても、乾燥段階で立ち上がってしまう。

それに、形を揃えるのがまた難しい。プレーンなぶん、ごまかしがきかない。そこで考えて

2度挽きというのをやって見た。ある程度せい形しておいたのを、少し乾いた段階で、もう一度

ろくろで形を整えるというわけ。これだと、土が硬くなっているから、つぶれにくく、時間を

かけてカーブを修正したり、口作りも微調整できる。こういうことをやっている人が他に

いるかどうか、知らないが、とりあえず、思いついたのでやって見た。特に皿は土が柔らかいと

へたるし、硬めだと割れやすい。いつまでも、ろくろを回していると遠心力だけでもつぶれて

しまうのだ。手間はかかっても、この方法なら、へたることは少なくなる。硬くなってから

土を動かすのだから、目に見えないクラックが入っている可能性もあるので、焼きあがるまで

油断はできないのだが。新しい試みは、結果がわからないだけ、面白いと思う。

       2.5

朝、発芽器を見ると、芽が出始めている。被せていた濡れ新聞を剥がすと、10本ぐらい。中には

早くから出ていたらしく、もやしのように長いのもいる。チェックする時全部剥がして調べなかった

からか。とりあえず、出てくれました芽が。そうなると次の段階です。発芽したものは日に当てて

やらないと、ヒョロヒョロになってしまうというので、ハウスに移動することに。しかしハウスは

まだかなり冷え込んでいる。プラスチックの蓋をしてその上からビニールで覆って、保温する。

10時に様子を見にゆくと32度まで上がっている。今度は全て剥がして、ハウスの脇のビニールも

少し開けて温度を下げてやる。意外と、温度調節が難しく、しょっちゅう覗いては開けたり

閉じたり、今日のような日は、日が照ったかと思うと、急に曇ったりとめまぐるしい。こいつは

簡単じゃないぞと覚悟する。10時からBSでやっている、イタリアの小さな村の物語を観ていたら。

トマトの植え付けの画面が流れていた。まず、水やりのためのチューブを準備して、その脇に

細い溝を掘り、15センチぐらいの間を開けて苗を植えていた。日本とはずいぶん違っていて

びっくりする。植え付けの密度の高さ、畝も日本だと割と高めに盛り上げるのに、あちらは

平というかむしろ掘り下げている感じ、土も石ころ混じりのゴロゴロの土だ。雨が少ない

乾燥地帯のせいだろうか。それと植え付けの間隔が狭いというのは日本のように芽かきは

あまりしないで、低く育てるのだろうか。理由はよくわからないが、一つ言えることは、

日本で、当たり前のことも所変われば全く別のやり方が普通におこなわれているということ。

最近、ネットで知ったことだが、ソバージュ栽培というのが近頃流行り始めているらしい。

雨よけのビニールもかけず、芽かきもしないでいわゆる粗放栽培に近い、あまり手をかけずに

育てるというもの。当然、品種も限られるし、抑えなければならないポイントもあるようだが、

気になる栽培法だと思う。

       2.4

1月31日の午後、タネを蒔いてから、3日目。まだ、トマトは芽が出る気配がない。果たして

出てくれるのだろうか、ちょっと不安になる。発芽には酸素と温度と水が必要というが、自作の

発芽器が密閉状態で酸素が足りないのではと思ったり、水を撒きすぎて、土の中が酸欠になって

しまったのではとか、昼と夜との温度差が最初の晩は20度近くになってしまい、次の日は

ほとんどなくなったりで、環境が狂ってしまったのではとか、考え出すと果てがない。陶芸で、

化粧土が合わなくなってしまってから、なんとか剥がれなくなるまで、1年以上かかったことが

思い出される。陶芸は、生き物ではないから、科学的に突き詰めてゆけば、いつかはうまく

ゆく時が来るのだが、植物相手では、正解は存在しない。状況は常に変化しているのだから、

どこまでが納得できる範囲なのか、最低、実が一つも採れなかったということだけは避けたいと

思う。まずは、芽が出ないと始まらないのだけれど。

       2.3

昨日、家に帰ると、息子が、残念だったねと裏を指差す。そこにはずらっと干し大根がぶら下

がっている。カビが生えてるよと。薄暗くてよく見えないが、確かに変色している。雨が結構

多かったが、まさか。今朝、明るくなってから、カミさんとチェックするが、確かに緑色や茶色く

なっているのもあるし、先っぽだけ、変色しているものも。この辺、大丈夫じゃないかしら、

というので、とりあえず、どうしようもないのは廃棄して、どうにかなりそうなのは、悪い

ところだけ切り取って、干し場を変えることにする。家の裏は、風も抜けないし、裏山からの

湿気も多いので、家の表の軒下へと移動する。何しろ、大根20本分だから、全部ダメだと、

かなりショック。途中までは、順調だっただけに、残念でならない。干し大根づくりは、

まだあまり経験がないので、手探りなのだが、昔の人たちは、何気なくやっているように

見えて、実際には、それぞれ、工夫を重ねて、しっかりと勘所を押さえて作っていたのだろう。

まだまだ、ひよっこだなあと、反省する我が身なのであります。

       2.2

昨日の夕方、トマトの種まきをした。今、蒔かないと春の植え付けに間に合わないと思って。

苗が育つまでに2ヶ月ぐらいはかかるらしい。やっと、前に作った発芽器が役に立つことになる。

今朝、工房に来て見ると、発芽器の温度が20度となっている。普通の花ならちょうど良い温度

なのだが、トマトは高温発芽と言って25から28度が適温らしい。足りないのです。前にテスト

した時には30度まで上がって、上がりすぎだと、底に軽石を詰めたり、蓋を少し開けたりした。

ところがどんなに工夫しても21度までしか上がってくれない。周りの温度が低すぎるみたい。

困った、ちょっとしたパニックになる。底に敷いていた軽石をフライパンで温めてみたり、

お湯をジョウロでかけてみたりしたが、すぐに下がってしまう。大慌てで、ネットで小さな

保温マットを注文するが、届くまでに数日かかるだろう。昼に、家に帰って、カミさんに話すと、

家に使ってない、一人用のホットカーペットがあるという。早速、それを下に敷いて、それまで

下に敷いていた保温ヒーターを上にして、上下から挟み込んでみた。午後、温度を見ると、

今度は30度まで上がっている。これは、ちょっと高すぎる。今度は、ヒーターを外して、

ホットカーペットとの間に、隙間を開けてやっと28度に下げることができた。夜は、

10度ぐらいまで下げると。温度差が刺激になって、発芽を促すらしいので、電源を抜く。

これまで、春になると、園芸店に出回る、苗を何気なく、買っていたが、栽培家の人たちは

こんな苦労をして育てていたのかと、今理解できた。これで無事に芽が出てくれれば良いの

だけど。実は、芽が出た後、苗として植えられるまで育てることの方が、はるかに難しいのだと、

色々な人が書いているのだが。まずは、無事に芽が出てくれることを祈るばかりなのです。

       2.1

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