陶芸 屋久島日記

台風24号ですよ。朝方、ネットで情報を見ると、ポッッカリ丸く雲が切れている。それに風も、

この程度かと思ったわけですよ。そこで、停電ではありましたが、工房に降りて、ランプの明かりで

仕事してました。すると、2時間ぐらいしたら、急に風が出てきたので、慌てて家に戻ったのです。

それからの風、いわゆる吹き戻しの風が、ものすごくて、家が揺れました。外では、何かが飛んで

くる音もして、恐ろしい風の音を聞きながら、布団の上で収まるのを待ちます。3時間ほどして、

ちょっと弱まったかなと外に出てみると、家のスレート瓦が何枚か落ちてるし、太い木の枝が

散乱して、工房では窯のトタン屋根、工房の瓦、窯の煙突のレンガと、かなりの被害が出ていました。

それに風がなかなか治ってくれません、よほど大きなエネルギーを持った台風なのでしょう。

それでも、電気が点いたり消えたりする中、ランプを頼りにろくろに向かいました。つくづく、

蹴ろくろで良かったと思いました。電動だったら、お手上げですから。ハウスは、恐ろしくて、

近づく勇気がありませんが。明日は、台風の後始末ですね。次の25号がまた来そうですから。

これから、台風24号の向かう地方の方達、くれぐれも気をつけてくださいね。

       9.30

ちょっと、早めの日記です。台風に備えて、電源を抜いて、屋根瓦を飛ばされたときを考えて

ビニールで養生したりしないていけませんから。今回の台風は、どうも、最近の台風と違うような

気がしています。まじ、直撃ですし、規模も桁違いな気がします。一体どうなってしまうのか、

もう、天に任せるしかありませんが。明日の午後には、おそらく通過して行くと思います。

ただ、停電をはじめ、おそらく、島のインフラはかなりのダメージを受けていると思いますから、

この日記も、いつ再開できるか。とりあえず、無事を祈るばかりです。

       9.29

船も欠航になり、しばらくは孤島になってしまった。朝、カミさんがスーパーへ走ったが、

もうすでに、棚はガラガラになっていたとか。おそらく、3日は船は来ないと思うから、停電に

備えて、カップ麺などは必需品になる。電池もすでに売り切れだとか、懐中電灯やラジオは

停電になった時、頼らなければならない大切なものだが、困った顔をして、空になった棚を見つめて

いた人がいたという。予報では、台風はこれからまだ発達するというから、恐ろしくなる。

今回は、どうも、まともにこの島を通過することは間違いないようで、覚悟を決めて、待つしかない。

それにしても、島を直撃しても、何故か通過と言って、本土に行くと、上陸というのは、

島に住む人間としては、どうも釈然としない。まあ、ひがみ根性と言われそうだけど。

       9.28

昨日はは、あれこれ落ち込んで、型の寸法を間違えたこと、台風が向かってきそうなこと、

それに社会で起きている様々なことに。朝は、まだ引きずっていて、重い気分だったけれど、

取りあえず、型を作り直して、台風は逃れられないと決めて、思い切って、ハウスのビニールを

抑えている部品を外して、上までめくり上げて、サイドも外せるところは取っ払って、風通しを

良くして、強風が来ても、吹き抜けるようにした。これで、やられたら、致し方ないと腹を決めて。

それから、今朝作った型を使って、器を作り、昼には、工房の前の側溝にたまったゴミを掘り上げて、

だって、この前の大雨であふれた水が、工房に流れ込んで水浸しになってしまったので、頑張って

動いたから、夕方にはヘトヘトだけど、不思議と今朝の嫌な気分は吹っ切れて、むしろ爽やかな

気分に変わっていた。やはり、うじうじ考えていてはダメなのですね、とりあえず、体を動かして

みるのが、良いようです。

       9.27

仕事の、先が見えてきて、ミスしてしまった。型物の寸法を間違えてしまった。途中で、おかしいな

とは思ったのだが、何度か確かめたはずなのに、出来上がって見ると、形が違う。高さも、

高すぎるし、縦横も、短かすぎ。したがって、まったく違う形になってしまった。しかも、

ほぼ、形が出来上がって気がつくのだから。自分のミスだから、やり直すしかないのだが。

ちょっと、焦っていたのかもしれない。いつも、あと一歩のツメが甘くて、こういうミスを

犯してしまう。ああ、また石膏の型起こしから始めるのか。自分のアホさ加減が嫌になる。

       9.26

仕事が停滞している。今やっているのは、いずれも、手間のかかる、そして難易度も高い仕事

ばかりで、なかなか進んでくれない。台風も、どうやら停滞気味で、発達しながら、予想進路を

見ると、どの予想も、この屋久島の上を通過しそうな気配が漂っている。あの、超大型にまで

発達した台風に襲われたら、どうなってしまうことやら。畑は、ほとんど、今は放置状態だが、

それでも、ハウスを潰されたら、それに窯を破壊されたら、家も工房もと不安ばかりがつのってゆく。

こればかりは、自然現象だから、どうあがいても、致し方ないこととはいえ、ただ待つしかないと

いう無力感で落ち着くことができない。

     9.25

窯出しです。だいぶ落ち着いてきて、前回よりも、釉薬の剥げも減ってきました。冷め割れも

ほとんどなくなり、なんとかまともな窯出しになってきました。ただ、原因がますますわからなく

なって弱っています。温度を上げすぎない、剥げそうな口辺部には溶けすぎる釉薬を使わない、

土の配合も変えてみたり、火に近いところに器を置かない、ゆっくり冷ます、等など、思いつく

ことはいろいろやってみた結果なのですが、いろいろやってしまっただけに、これがいけなかった

というような特定ができません。言い換えれば、複合的に、要素が重なって、あのようなことが

起きてしまったということかもしれませんが。例えてみると、人の病気もそういうところがあると

思います。暴飲暴食、運動不足、睡眠不足、ストレス、様々なことが引き金になって、病気を

引き起こすことが多いようです。そういうのって、ちょっと、似ている気がします。バランスよく、

無理のない仕事をすること。これがなかなか難しいことなのですが。次の窯が勝負だと思います。

       9.24

近頃、たたらの仕事が多くて、いろいろ勉強になることが多い。まず、硬さの調節。薄くスライス

した後、板の上に広げて、扱いやすい固さになるまで、乾かす。この調節が難しく、柔らかすぎると、

ヘニャヘニャだし、硬すぎると曲げた時割れてしまう。最近覚えたのは、少し硬すぎるぐらいに

乾かして、成形する時、濡れ雑巾やスポンジで戻すこと。その時、曲げる外側を集中的に戻すことで、

ひびわれることなく、しっかり曲げることができる。ただ、その加減が微妙で、何度もやってゆく

うちに、だんだんコツがつかめてくる。今日は、一日掛りで5角形の鉢を成形し、次の4角のたたら皿の

準備をする。こちらは四角の板皿にろくろで引いた丸い台をつけるというもので、これまた、

なかなか難しそう。硬さの調節と、貼り付ける時の、タイミングが。いろいろ手探りしながらだけど、

良い勉強になっている。

       9.23

今朝は、びびった。落雷が近かったから。仕事場が心配だったが、異常なくてよかった。朝雷は晴れる、

というこちらのことわざどおり、昼間は陽がさして、かなり器を乾かすことができた。昨日作った、

石膏型を使って、早速5角形の器を作る。思った通り、手数が多くて、時間がかかるが、形は案外

いい感じにできた。ただ、焼いた時に傷が入らないように、ゆっくり乾かす必要がありそう。

明日一日、頑張れば、なんとか作り終えそうなきがする。

       9.22

石膏を使って、型作り。原型を起こし、それに外型を作って、型から外して、本型を作る。小さな

器だが、3種類作ると、それなりに頭も使うし、手間もかかる。今年は梅雨に長雨が降ったので、

石膏も湿気気味で、固まるのが早く、ぐずぐずしてられない。本当なら、完全に乾燥させてから

仕事にかかりたいところだが、そういうわけにもゆかず、試作してみる。一つは、おそらく明の

時代の写しらしく、かなり手が込んでいる。もう一つは、ろくろで引いた部品と合体させるという、

これもなかなかのもの。なんだか、練習問題から、応用問題に変わってきたよう。ろくろで引く

だけより、3倍は時間がかかりそう。まあ、プロですから、きた仕事はなんでもやります。

       9.21

窯焚き。前回と同じ手順なので、割と楽に進めることができた。ただ、窯にだけ、関わっている

わけにもゆかず、新しく受けた、注文品を作りながら、タイマーで時間を見ながら、焼き進める。

いよいよ最後の焚きあげというとき、思ったより、温度の上がりが悪くなって、煙道の火の引きを

調節し直して、ほんの少し、窯を離れていたら、あっという間に上がってしまって、前回よりも

10度高くなっていた。今回は10度低い温度で、止める予定だったので、逆に20度オーバー。

なんてことだと、思いつつ、今更、後戻りもできずに、慌てて火を止めた次第。もの事って、

思うようにゆかないものだと思う。果たして、結果はどうなるやら。また、4日間、心配しつつ、

待つことになる。

       9.20

息子が、小さい方の窯の釉掛けと窯詰、こっちは大きい方。両方とも夕方までに終えて、今夜から

また火入れです。前々回は半分以上割れて、前回は割れはなかったが釉薬の剥がれが多数。今回は、

それを踏まえて、いくつか工夫はしたが、本当は土を変えないといけないのだろうが、もう素焼き

まで終えてしまっているし、小さい方の窯では問題なく焼けているので、何故大きい方では

トラブルになるのか。その問題をどう解決するか。本当に難しくて、どうしたら良いのか、

全くわかってないのだが、少しずつ、手探りしながらやってみるしかないと思う。

       9.19

陶芸の話。陶芸日記ですから。窯出しです。三日間、冷まして、温度計は下が60度上が70度でした。

前に開けた時は、レンガを外した段階で、パキーンという音があちらこちらからしてきましたが、

今回は静かでした。手で、じかに触れるにはまだ熱いので、手袋をして出しました。結果は、

割れてません。実は心臓がドキドキしてました。そこまでは良かったのですが、何か細かい

チリチリという音が聞こえます。器を見ますと、所々に小さな破片のようなののが見えます。

どうも、器のの口のあたりの釉薬が、部分的に剥がれているようです。それも、釉薬の種類で

なんともないものもあります。ちょっと、がっかりしたのですが、全ての作品を出して、割れた

器は一つもありませんでした。これで、前回割れた原因が急冷だったことは証明されました。

あとは、釉薬の問題。これは、シバリングという現象のもう一つの証明だと考えています。

土と、釉薬との収縮のズレが、このようなことを引き起こしているようです。昔はなかった

ことがここへきてなぜ起きているのか。それは土に問題があるということでしょう。今、

独自の配合で土をブレンドしているのですが、そのどこかに問題があるようです。しかし、

この問題を解決すののはかなり、時間がかかりそうです。それに、小さい方の窯では問題なく、

焼けているのに、ということも。大きな方の窯にも温度計を入れて、今回はかなり正確に

測ったはずです。ここで考えなければならないのは、温度と、時間の関係です。たとえ同じ

温度で焼いたとしても、かける時間の長さで、土と釉薬に及ぼすエネルギーの量は違ってきます。

長い時間をかけて焼くということは、より低い温度でも釉薬と土にエネルギーを及ぼして

いるということらしいのです。それを、測る道具として、オルトンコーンというものがありますが、

今回は窯に入れませんでした。この次、焼く時、窯にあっちこっちに入れておけば、どのくらい

エネルギーの量だったかがわかると思います。窯出しを終えて、早速、次の窯の準備を始めました。

時間も限られており、落ち込んでいる暇はありませんから。それにしても、奥が深いものですねえ。

何事もなく、順調にいってるときは、考えもしなかった色々なこと。右も左も崖っぷち、良い勉強を

させてもらっています。

       9.18

今日の仕事は窯関係。釉薬を作り足したり、掛けたり、素焼きの窯出しをしたり。でも、ガス窯は

今日も閉じたまま。夕方には、100度まで下がってくれたから、明日には出せそう。そして、大きな

オブジェを作る準備も始める。こちらも、気に入ったものができたら、注文者にみてもらう予定。

出来次第では、わが庭のエクステリアになるかも。ところで、昨日の海の事故。心配が当たって

しまった。すぐ近所の人。朝の散歩で、最近、時々会うようになっていた。以前は黒い犬を連れて

散歩していたが、だいぶ齢をとって、歩くのが大変そうだったが、犬の姿は見なくなって、一人で

走るようになっていた。前は避けるように歩いていたが、近頃は挨拶をしてくれるようになった。

事故らしいということだけど。昨日のニュースを知った時、ふと彼のことが頭をよぎってしまった。

悪い予感って当たるものだ。やはり、こういうことって連鎖するのだろうか。

       9.17

強い日差しとカラカラ天気。乾燥が急に早くなった。昨日挽いて、今朝削った、小皿がもう

真っ白く乾いてくれた。よく、割れずに乾燥できたと思う。小さなものだから、良かったけれど。

素焼きを窯出しして、次のを窯に詰めて、素焼きする。小さい窯で二度、素焼きしている間も、

大きい方の窯には焼いた器が詰めたまま。何しろ、断熱が良いので、なかなか冷めてくれない。

明日、十分に冷めてくれると良いのだが、なかなか待ち遠しい。まあ、待つのも仕事のうちだと

思いましょうか。窯出しした素焼き済みの器の、釉抜きをして釉薬をかける。待っている間、

手をこまねいているわけにもゆかないし。今朝、早く、消防のサイレンが鳴ったと思ったら、

近くの港に誰かが落ちたらしい。ジョギング姿だというから、顔見知りではないかと、心配になる。

今年に入って、すぐ近くに住んでいた、兄弟が相次いで亡くなったし、どうも、不幸が続く気がする。

この、快晴の空とは裏腹に。

       9.16

暑い、九月も半ばだというけれど。青空が広がって、今日でほぼ器は乾いてくれた。朝、土練機を

回して、一日、小皿を作る。醤油皿。これまで作った中でも、最も小さい皿。ほぼぐい呑に近い。

そういえば、板前さんは醤油猪口と言ってた気がする。確かに皿というより猪口。窯はまだまだ、

熱い。最低3日、場合によっては4日かかかるかも。機になるがここはじっと、待つことにしよう。

       9.15.

昨晩から、窯に火を入れて、夕方に終了。なんとか、順調に、ここまできた。あとは、一番の課題、

冷ましです。過去、ここで失敗したことは間違いないので、慎重の上にも慎重に。そういえば、

前回は、台風21号の風が結構強く吹いていた。まさか、あれが影響したとは思えないが、あらゆる

ことを疑ってみる必要がある。今日は、風は、大丈夫だと思うが、それでも、22号からの波は

かなりのもので、宅配便の運転手さんは、ものすごく波が高いと言っていた。窯焚きと並行して、

素焼きの窯づめをして、蕎麦猪口を削り、生乾きの器を、外に出し、風に当てる。朝と、夕方の

2度猿がやってきて、屋根を走り回り、庭の木の上から、キーキー騒いでいる。乾燥中の器に悪さを

するのではと、心配で、こちらも大きな声で威嚇するが、奴らはへいちゃらな顔で、遠くからこちらを

伺っている。ここ数年、見かけなかったのだが、またまた群れでやってき始めた。畑もあるが、それ

以上に焼き物を壊されたら、たまったもんじゃない。次から次へと、エンドレスにトラブルが

襲ってくる。

       9.14

最近の天気予報は、どうも当たらない。昨日は、明日は雨の確率60パーセントと言ってたのに、

一日中日が差していた。おかげで、だいぶ乾燥が進んでくれたから、良かったのだけれど。昨日から

始めた、釉薬掛けと窯詰、思ったより早く、今日中に終わってしまった。前回は5日ぐらい

かかったのだが。まあ、いろいろ考えながらだったし、形も大きさもバラバラだったから。

て、ことは明日本焼きということになる。前回、半分以上ボツを出してしまったことを考えると、

かなりのプレッシャーだが、あれから、思いつくことは、やったので、これでダメなら、もう

バンザイするしかない。やる前に、ネガティブなことを考えても始まらないから、とにかく、良い

イメージを頭に描いて、望むしかない。だから、ワクワクして、楽しみで仕方ないのだ。

       9.13

夕方、少し明るくなって来た。明日、天気になーれ!。だって、もう足の踏み場もないもん。本焼きの、

釉掛けするのに、置くところがない。仕方ないので、少し掛けては窯に詰めてをしてるんだけど、

これじゃあ、はかどらないし。話、変わるけど、大丈夫かなあ、台湾方面に向かっている台風、

それにアメリカのハリケーン。この前の、大阪を襲った21号もひどかったけど、ひとごとじゃないし。

もし、ここを通ったら、どうなってしまうのだろう。ちょっと、東を通るか西にそれるかの違いで、

天国と地獄のように、状況が変わってしまう。自然災害って、どうにもならないだけに、無力感が

つのる。

       9.12

予定を、変更して病院へゆく。来週のつもりだったが、カミさんが、旗日になってるよと、教えて

くれたから。走るにつれて、雨が降ってくる。血液検査の結果は、もっとボロボロではと懸念してた

のだけど、案外よくてほっとする。ただ、血圧が高めだと話すつ、先生が一時的に、薬を多く

しましょうと言ってくれる。それで、5から10は下がると思いますから。先生と、馬鹿話をしたら、

気持ちが明るくなる。気持ちに反して、空は暗くなるばかり。雨がどんどんひどくなって、家が

近く頃には恐ろしいような土砂降りに。この雨は、一体どこから来ているのだろうと思うような。

昨日挽いた湯呑みはほとんど乾いてくれてない。それでもだましだまし、削るが、はかどらない。

ここに来て、渋滞気味。焦ってはダメだけど、この空模様、いつまで続くことやら。

       9.11

昨日、挽いた、片口を組み立てて、湯呑を100個挽く。ほとんど休みも取らなかったから、さすがに

腰が痛い。ろくろ、蹴りっぱなしだから。前かがみの姿勢だから。早く、布団に横になりたいよ。

雨が降らなくてよかったが。もう少し、日が照って、風が吹いてくれたら、もっとありがたかった

のだけど。それでも、だいぶ乾いてくれたから、作業は進みました。

       9.10

割れた器の補充作品の仕上げをしたり、追加注文の片口を挽いたり、湯呑みを試作したりと、

めまぐるしい。天候もめまぐるしく、午前中は大雨、午後になって、日が差したかと思えば、

また夕方には雨。お客さんも、地元の人、観光客、顔見知りと、なんとなくめまぐるしかった。

秋は、物寂しく、しっとりした気分になるものだが、去り行く夏を追いかけているような人たちが、

どこか忘れ物を探し回っているような、そんな動きを目にした気がする。

       9.9

今回注文いただいたお店の人が、シンガポールから、器を見に来られた。遠路はるばると。関西の

出身の方で、ご家族を伴って。台風があって、関西空港が大混乱で、今日の飛行機も遅れるなどして、

大変な旅だった様子。年末オープンということで、色々な厨房設備も仕入れがてらの帰国だったとか。

お互い初対面で、器を見てもらうのも初めてだから、かなり緊張した。あちらも同様で、どのような

ものが出来ているのか、ずいぶん心配だった様子がうかがえた。なんにしても、色々話し合って、

なんとなく、ホッとした気持ちになれたことが、何よりだった。ただ、いくつかの追加と、改めて、

納期の厳しさもわかったから、改めて、気合いを入れ直す。他の仕事も、あるので、残り少ない、

年内を、どうやりくりして乗り切るか。試練は続いている。

       9.8

ようやく、壊れたぶんの補充作業の先が見えてきた。作ってみると、かなりな数。それに、天候が

冴えなくて、湿度が高いので、乾いてくれない。作業場は、置き場所がなくなって、足の踏み場も

ない有様。一日でも良いから、からりとした日が欲しいところだが、天気予報を見ると、ぐずついた

日が続きそう、秋の長雨っていうのか、前線がちょうどのところに居座っている。まあ、各地で

起きている、惨事を思うと、贅沢は言ってられないが。それにしても、激しすぎる気がする。

ていうか、バチが当たっているのでは、と思ってしまう。この自然との向かい方を、考え直す

時なのかもしれない。

       9.7

この日記、あまりに赤裸々に書きすぎているのかなあ。窯のことで、心配するメールが来たりして。

ちょっと、考えてしまう。でも、陶芸屋久島日記なんてタイトルつけてるし。その辺のことを、

書かないと、屋久島読書日記になったり、屋久島耕作日記になったりしてしまう。実際そういう時も

あるけれど。今は、とにかく、朝早くから一日中、陶芸のことばかり考えているわけで、この歳に

なって、これだけムキになっているのもおかしな話だけど。思い返せば、陶芸で、順調だった

ことなんてほとんどなかったわけで、順調だと、つまらなくなって、わざわざ。人がやっちゃ

ダメということを初めてしまう、天邪鬼だし。今回の、壁も、実は自分で原因を作っているところも

あって、だって、妙な窯を手作りして、それがうまくゆかないと嘆いているわけだし、自業自得なの

だから。まあ、なるようにしかならないし、行くところまでゆくしかないわけだし。野村のサッチーは

、「男は死ぬまで働け」と言ってたし、馬鹿は死ななきゃ直らないと、虎蔵さんは唸っていたわけだし。

まあ、元気で動ける間は、じたばたと足掻いてゆきましょうか。

       9.6

昨日、窯出しした、器を調べたら、半分ぐらいは取れそう。全滅までゆかなくてよかった。壊れた

器は、釉薬と形に寄ることもわかった。早速、補充するために制作を開始するが、形を変えて、

壊れにくいものに、それに釉薬もより安全なものに変更することにした。半分作り直すには、二人

掛かりでそれでも、かなりの日数がかかるだろう。それに、月末締め切りの他の仕事も最後の

仕上げに入ったので、平行して進める。より、安定した窯焚きができるように新たに仕入れた

素材も届き始める。何しろ、台風で船が止まっていたから。昨日の、目の前が真っ暗な状態から、

少しずつだが、明かりが見え始めた気がする。

       9.5

本焼き窯の窯出し。前回、温度が上がりすぎて、多くの破損だ出てしまったので、そこだけは

気をつけて焼成した。途中、温度計が正しく作動しないアクシデントがあったが、経験でなんとか

乗り越えて、窯を開けてみた。釉薬の溶け具合は悪くない。焼きの雰囲気も大丈夫。やれやれと

思ったところで、窯から嫌な音、パキンという。しまった、早すぎたかと、慌てて口を閉じるが、

夕方、十分に冷めてから、窯から出てくる器がほとんど、ひびが入ったり、釉薬が剥げていたりと

ひどいことになっていた。原因がわからず、いろいろ調べてみると、どうも思い当たるのが、

クリストバライトという成分による、冷め割れ。これまであまり気にしたことがなかったが、

どうも、200度を少し超えたぐらいの温度で、急激に冷ますと、割れたり、釉薬が剥げたりという

現象が起きることがあるというもの。今朝、工房に降りて温度を見るとまさに200度ちょっと。

その温度に、煙突のダンパーを開けて、口に積んであったレンガを外してしまったのだ。外は、

台風21号からの強い風。経験的に、いつもとそう変わらないタイミングだと、油断した。それが

まさにどんぴしゃり、最悪の条件だったということだろうか。ひょっとしたら、前回も、同じ

ような温度でで窯を開けてたのだろうか。これが、今回の失敗の原因だと、断言することは

できないが、他に思いつかないから、そういうことにしておこう。それにしても、これから

どうしたら良いか。残された時間はあまりないし、他に原因があって、また同じようなことに

ならないとは限らない。このピンチ、果たして乗り越えることができるのだろうか。

       9.4

昨日の晩、オークションで窯用温度計を探して、落札した。中古品だが合わせて4万円ほどの出費。

新品で揃えると10万円は下らないから、安いといえば安かったが、実際に使ってみないとちゃんと

動作するかわからない。今のおかしいのも、中古だから、結果、高い買い物になってしまったの

かもしれないが。それでも、島の貧しい焼き物屋は、工夫しなければ、やってゆくことは難しいので、

習い性になってしまった。たたらのお皿を作り、釉薬を5種類作り足し、釉薬をかけて窯詰。今日も、

いろいろ動いた。本焼きを終えた窯は、なかなか温度が下がらない。けれど、焦って冷め割れしたら、

元も子もないので、自然に冷えるまでゆっくり待つことにしよう。

       9.3

昨夜の10時過ぎに窯に火を入れ、途中順調に進んだが、前回と同じトラブルが発生してしまった。

温度計の表示が途中から上下逆転してしまい、上が上がらなくなってしまった。前の窯焚きでは表示を

信用してしまい、温度を上げすぎて、ほとんど割れるという、結果になってしまった。その轍は踏み

たくないと、いろいろ試してみたが、改善しない。てことは、温度を測る部分か、表示する器具かの

どちらかが壊れているということになる。以前は下の部分一箇所だけで測っていたから、過去の

データーを元に最後まで進めたが、さて今後どうしたものか考えてしまう。温度計も、測定するための

熱電対もかなり高価なのだ。気軽に買うということもできないし。かといって、大事なところの

温度を勘に頼るのもプロとして如何なものかと思うし。致し方なし、どこかで、安い中古品でも

探すしかないか。なんにしても、窯出しが心配でならない。

       9.2

いやあ、結構今日もいろいろ動きました。窯詰は昨日で終わったので、まずレンガで口をふさぐ。

市販の窯だったら、ドアを閉めて終わりだが、手作りの窯なので、毎回レンガを積み上げて蓋をする。

かなり手間のかかる作業だが、便利なこともある。温度を測る位置を自由に変えることができる

ということ。窯詰によって重点的に、知りたい温度のところも変わるし、それに合わせて作品の

釉薬を変えることもできる。市販の窯だと、いかに均一に焼くかを追求して作られているが、手作り

では逆にある程度むらが出やすいような構造に作ってある。薪の窯で得た知識で、一回の焼成で

バラエティーに富んだ焼き物が取れるというメリット。いわゆる窯変が出やすいということ。

その代わり、窯の温度は高いところと低いところで100度ぐらいは違ってしまう。それに場所に

よっては還元になったり、酸化になったりと、いろいろ変化する。うちのような小さな工房ならでは

の考えかただと思うが。その代わり、全てをうまく焼き上げることは難しい。どんなことも良し悪し

があるということ。そんな窯仕事の後、工房を片付けて、土を練り直し、次のたたら仕事の下地を作る。

カミさんが昨日から鹿児島に行って、留守なので、次男の世話をしながら。結構頑張ったので、

また血圧が上がってしまったのではと、夕方測ったら、久しぶりに130代で一安心。風が気になるが、

明日は火を入れようと思う。

       9.1

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